門田隆将オフィシャルサイト | kadotaryusho.com

  • 最新情報
  • プロフィール
  • 著作リスト
  • 講演のご依頼
  • ブログ
(C) KADOTA RYUSHO. ALL RIGHTS RESERVED.
BLOG | KADOTARYUSHO.COM

ブログ

フジ「ザ・ノンフィクション」500回記念で「康子19歳」放映

2009.07.31

あさって「8月2日(日)午後1時45分~」、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」が500回の記念番組を迎える。

バラエティー番組ばかりが幅を利かすテレビ界で、硬派のジャーナリズム路線、いや「人生、人情、愛」路線を頑なに守ってきた番組だ。

「日曜の昼間にサラリーマンが見られるドキュメンタリー」を目指して平成7年10月にスタートして500回。その記念番組に拙著「康子十九歳 戦渦の日記」(文藝春秋)が選ばれた。

本自体は3週間前に発売されたので、徐々に私のもとに反響が寄せられている。「驚いた」「今の若い人に読んで欲しい」というものが多い。

粟屋康子さんの短かった人生。しかし、その生きた証(あかし)が今も海の向こうの台湾で「赤いバラ」となって生き続けている奇跡。毅然とした日本人と、生と死の狭間で生きた太平洋戦争下の青春群像を少しでも多くの方に知っていただければ、と思います。

きっと勇気をもらえると思います。是非ご覧ください。

カテゴリ: 歴史, 随感

いよいよ予選は大詰め

2009.07.30

出場していれば優勝候補の一角になることは確実だった明徳義塾が敗れた。高知高校に2対3。まさかの敗北である。

月刊誌「新潮45」のスポーツドキュメント「あの一瞬」8月号と本日発売の「ナンバー」で明徳義塾の「松井5敬遠」の試合を取り上げ、関係者に取材をさせてもらった関係で今年の明徳の戦力の充実ぶりに注目していた。

春の四国大会で剛腕・秋山投手を擁する西条を延長13回の末に破って優勝。今年は馬淵監督も例年以上の手応えを感じていたようだ。それだけに選手たちも無念でならないだろう。1点差の8回、1死2、3塁で4番井上がファーストフライに倒れた段階で、万事休した。ここで4番が外野にボールを持っていくこともできなかったのは痛かった。高知の左腕・公文投手の勝利への執念が明徳を上回っていた。

一方、西東京では日大三高が、日大二高との兄弟対決を19対2で下して甲子園に名乗りを上げた。斎藤佑樹の早稲田実業の前に、延長の末に決勝戦で力尽きた3年前、小倉監督は「これほど悔しい敗北はない。自分のミスです」と絶句していた。

それ以来、甲子園から遠去かっていただけに、優勝インタビューに答える小倉監督の表情は万感がこもっていた。これで東京から帝京と日大三という屈指の強豪が甲子園に乗り込むことになった。強豪校との死闘が今から楽しみだ。

注目の大阪では、大阪桐蔭とPL学園が準々決勝で激突。今年は、ここのところ劣勢だったPLが10対5で大阪桐蔭を押し切り、名門復活を印象づけた。エース中野が故障で投げられず、打ち合いの末の勝利だった。大阪の代表校がどこになるか、常に全国トップの激戦区だけに興味深い。

7月25日のブログにも書いたように、今年の甲子園は「サバイバル甲子園」だ。

予選もいよいよ大詰めである。

カテゴリ: 野球

“官製ジャーナリズム”しか生き抜けないのか

2009.07.29

今日は、事務所を訪ねてきた某大手出版社の編集者からノンフィクション界の実情についていろいろと聞いた。

それによると、この業界の常識は「ここでは飯が食えない」ということに尽きるらしい。雑誌の原稿料は安く、本となっても、印税はわずか10%で、費用対効果はすこぶる悪い。みんなあっちこっちのアルバイト原稿で糊口を凌いでいる有り様だという。

“官製ジャーナリズム”しか生き抜けない日本の言論界のお粗末な実態を垣間見る話だった。たしかに原稿料や印税の安さは、マス目を埋めることによって生計を立てている人間にとっては、「生きていける」ぎりぎりだと言っていいだろう。

おもしろく、かつ意義のある作品を生み出したい意欲のあるジャーナリストは結構いるのに、結局、それが作品に結びつかない日本の現状には溜息が出るばかりだった。

暗い話はここまでとする。

今日も甲子園へ強豪校が次々と名乗りを上げた。激戦の神奈川で最後に笑ったのは、横浜隼人だった。横浜に10対9、桐光学園に5対1、桐蔭学園に6対5と、甲子園なら「ベスト8」クラスのレベルの高い試合を凌ぎきった実力は侮れない。

東東京は、踏ん張ってきた都立雪谷高校が横綱・帝京の前に力尽きた。そのほか、埼玉は聖望学園、和歌山は智弁和歌山、奈良は天理……等々、優勝戦線に絡んできそうな学校が続々、名乗りを上げている。明日はさらに強豪校が名乗りを上げてくるだろう。

明日の注目は西東京の日大三高、愛知の中京大中京、高知の明徳義塾、愛媛の西条あたりか。高校球界の名将もかなり揃ってきた。

今年の甲子園は興味深い。

カテゴリ: マスコミ, 野球

「官僚政治の打破」1本なら民主は圧勝

2009.07.27

いよいよ本格的な戦さのスタートである。

本日午後、民主党の鳩山由紀夫代表が注目の衆院選マニフェスト(政権公約)を発表した。

1人当たり年額31万2000円の「子ども手当」創設や公立高校無償化、ガソリン税をはじめとした暫定税率廃止など生活支援策を前面に掲げたものである。

これで自民党による財源追及の“たたき台”ができたわけで、自民vs民主は、主に「財源論争」に形を変えることになる。

民主党は徹底した無駄の排除や特別会計の「埋蔵金」活用で捻出するというが、この“バラまき”と財源のあやふやさを自民党はとことん追及してくるだろう。

しかし、その財源論争の前に、民主党が掲げた「官僚政治の打破」という言葉に多くの国民が共感を覚えるのも確かだ。

「政治主導」確立のため、民主党が国家ビジョンや予算の骨格を策定する首相直属の「国家戦略局」の設置を打ち出し、公約が実現できない場合は鳩山代表が「政治家として責任を取る」のだそうだ。

戦後、官僚と共に歩んできた自民党政治に“ノー”を突きつけることで、国民の支持を得ようというわけである。

多くの国民が「官僚政治打破」に異論はないだろう。現在ヒット中の織田裕二主演の映画「アマルフィ」でも、日本の外交官(外務官僚)のひどさとお粗末さがこれでもか、と描かれている。拙著「裁判官が日本を滅ぼす」(新潮文庫)は、官僚としての裁判官の恐るべき実態を暴露したものだ。

財務省、農水省、厚生省、国交省、警察庁……自分たちが国民のための奉仕者であることを忘れた官僚たちの弊害は改めて述べるまでもあるまい。

そこ1点に民主党が賭けてきたなら、国民の支持をかなり広範に得られるだろう。民主党の弱点とする国家観や安全保障の問題点が、この「官僚政治打破」という言葉でかき消されるに違いない。

さあどうする、麻生さん。中国や韓国の反発をものともせず、靖国参拝を強行して本来の支持層である保守層を取り込みたい麻生さんだが、民主党が確実に先手を打ってきている。後手後手の中から、活路を見出す“名手”はあるのか。

カテゴリ: 政治

球際(たまぎわ)の強さとは

2009.07.25

衆院の解散、日蝕騒動、豪雨被害、高校野球「有力校」の敗退……等々、今週は目まぐるしい1週間だった。

昨夜は、東大野球部OBの面々と飲む機会があり、さまざまな話題で時間が過ぎるのを忘れてしまった。帰りは結局、夜中だった。

昨日、早稲田実業(西東京)も、私の母校・土佐高校(高知県)も、早々と予選で姿を消してしまった。毎年、シニアの全日本の有力選手を入部させている早稲田実業は、選手が伸びず、結局「素材に頼った」野球の枠を出なくなっているようだ。毎年のように、入部したばかりの有力な1年生の力に頼り、なかなか勝ち抜けなくなっている。

土佐高も同じだ。さすがに早実のように有力選手はいないが、練習で「選手が伸びない」点は共通している。さらに、両校が似ているのは、自主性を重んじる練習をやっている点だ。

かつては、両校とも高校球界を代表する厳しく過酷な練習で有名だった。練習があまりに厳しいため、試合の時はむしろ「楽」で、選手たちがいざという時に「実力以上のもの」を出すチームだった。

しかし、時が移り、厳しい練習は陰をひそめ、選手の自主性が重んじられ、いざという時の踏ん張りがきかないチームになってしまっているようだ。

春選抜の優勝チーム・清峰高校が敗退し、一方、準優勝の花巻東は、甲子園に名乗りを上げた。春のヒーローの明暗がくっきり分かれたが、今年は大会前に評判の高かった有力校が全国で続々敗退している。

私は今年の甲子園を「サバイバル甲子園」と位置づけている。有力校の中でも、有力選手の「素材」だけに頼った学校は、姿を消し、最後に残るのは“球際に強い選手”をより多く育てたチームではないか、と思っている。

高校野球は、1度負けたら終わりだ。しかも、人生でたった3年間だけしか許されない期間限定の戦いである。そこに、一切の妥協が許されない厳しい勝負と感動が生まれる秘密がある。

“球際に強い”、つまり相手よりも勝利への執念で決して負けないチーム。それがどの高校なのか、予選と甲子園を通じて、しっかりと見極めたい。

カテゴリ: 野球

筑紫台高校、敗退

2009.07.22

拙著「甲子園への遺言」の舞台となった福岡の筑紫台高校が、福岡県予選5回戦で敗退した。プロ野球界伝説の打撃コーチ・高畠導宏さんが、最後の命の灯を捧げて教壇に立った学校である。

高畠さんは、高橋克実が演じたNHK土曜ドラマ「フルスイング」の“高林先生”のモデルとなった先生である。高さんが膵臓がんで亡くなって5年。高さんが連れてきた鈴木康彦監督も「今年こそ」という思いがあったに違いない。

筑紫台の隈本豊校長によれば、「雨で前の試合が中断し、グランドコンディションもよくなかったが、いい当たりが正面を突くなど、運もなかった。しかし、エースをはじめ、レギュラー9人のうち6人が残りますので、また期待していてください」とのことだった。

負けても、負けても、また「次」に挑戦する。高校野球は人生と同じだ。後輩に悲願を託し、挑戦は絶えることなく続くのだ。いつかは、その大願が成就する時もある。

高さんは、「その時」を天国から見ている。ガンバレ、筑紫台ナイン! 次がある。

カテゴリ: 野球

遅いよ、麻生さん

2009.07.21

「日本の未来に取り組めるのは自民党だけです」「日本の国旗を当然として掲げている政党がありますか?」。衆院が解散になり、麻生さんは、民主党との全面対決に、紅潮した表情でそう語った。

暑い夏の日本列島を舞台にして、絶叫の選挙戦が繰り広げられる前に、民主党との最大にして決定的な「違い」を強調したのだ。

麻生さんは8月15日に靖国参拝をおこなって、その「違い」をさらに際立たせる戦略も持っているという。

破れかぶれ解散になった以上は、中国や韓国の反発など気にしておられるか、ということだろう。窮鼠猫をかむの譬え通り、もはや麻生さんのなりふり構わぬ戦いが展開される。安倍・福田・麻生と、“お坊っちゃん政権”がつづいたが、前の二人に比べて、政権を投げ出さなかっただけでも、麻生さんの方が精神的には強かったようだ。

何度も解散の時期を模索しながら、結局、麻生さんにとって最悪の状態での選挙戦突入となった。絶大な信頼を置いていた与謝野馨財務・金融担当相から先週、自民党の両院議員総会の開催を求められた時、側近に「俺は、与謝野を一番大事にしてきた。経済政策を二人三脚でやってきたつもりだ。それなのに……」と、“裏切り”に対して衝撃を受けたさまを吐露したそうだが、この人の政治センスのなさは、このひと言にも表れている。

小沢一郎氏の秘書が逮捕され、後継に鳩山由紀夫氏が座り、自浄能力と政党としての活力のなさを民主党が露呈しているまさにその時、日本郵政の西川社長を守って鳩山総務大臣を切る、という驚くべき選択をおこなって支持率急落、挽回不能の致命的打撃を自ら招いてしまった。「両院議員総会の開催」はガス抜きのためにも、一致団結を国民にアピールするためにも不可欠だったはずだ。それを“与謝野の裏切り”と思うあたりに、麻生さんの限界がある。

そもそも、この最悪のタイミングの解散ではなく、「勝つタイミング」はいくらでもあったことが麻生さんにはわからない。君側の奸とも呼ばれ、安倍・麻生両政権で“チョンボ”を連発した菅義偉・党選対副委員長の進言に重きを置きすぎた結果とも言える。

ここは、7月13日のブログでも書いたように将棋の大山康晴名人の「終盤は二度ある」「相手は必ず間違える」という格言を信じて戦うしかない。

私も8月は甲子園取材、8月末からは海外取材の予定が入っているので、めちゃくちゃなスケジュールになりそうだ。

総選挙は政権選択の選挙だけに、日本中が“お祭り”状態になる。しっかり日本の行く末を見届けたい。

カテゴリ: 政治

「特選 天国に誓う白球」放映

2009.07.18

いよいよ夏の甲子園の予選も佳境に入ってきた。全国で甲子園を目指して死闘が繰り広げられている。汗と涙の季節がいよいよ本番だ。

そんな中、明日(19日・日曜日)午後1時45分からのフジテレビ「ザ・ノンフィクション」で1時間にわたって「特選 天国に誓う白球」が放映される。

4年前、私がプロ野球界伝説の打撃コーチ・高畠導宏さんの生涯を描いた「甲子園への遺言」(講談社)を出版した時、フジテレビがドキュメンタリー「天国に誓う白球」を制作・放映してくれた。感動のドキュメンタリーで、多くの視聴者から絶賛の声が寄せられ、やがてそれがNHK土曜ドラマの「フルスイング」につながっていった経緯がある。

その「天国に誓う白球」から4年を経て、関係者の“その後”も追い、「特選 天国に誓う白球」を今回、放映してくれるのである。フジテレビの味谷和哉チーフ・プロデューサーや制作プロダクションの大島新プロデューサーと田村慎平ディレクターという“手ダレ”が揃ってつくってくれたドキュメンタリーだけに、観る側に感動と希望を与えてくれる内容になっている。

がむしゃらに前進していくことが「人間にとって」いかに大切なことか。そのことを思い出していただければ、と思う。是非、チャンネルを合わせてもらいたいものだ。

カテゴリ: 野球, 随感

「時代」が変われば……

2009.07.16

3時間55分の熱戦だった。

2勝2敗で迎えた日米大学野球選手権の最終日は、7対7の延長11回裏、日本が相手ショートのタイムリーエラーでサヨナラ勝ちし、2大会連続16回目の優勝を果たした。

試合後、榎本保監督は「どんな形でも勝ててホッとしている。勝ちたい気持ちが強い方が勝った」と語ったが、まさに薄氷を踏む勝利だった。

今年の全日本はキャッチャーが非力で、盗塁阻止率やリード面でも首を捻るケースが少なくなかった。日本の機動力を完全に封じたアメリカの強肩キャッチャーに比べ、なんとも心もとなかった。

私は、大会の5試合を通じて「キャッチャーの差が致命傷にならなければいいが……」と思っていたが、なんのことはない、11回裏、相手ピッチャーに15球も投げさせた上にフォアボールを選び、結局サヨナラのホームを踏むことになる殊勲の小池翔太(青学)は、“途中出場”のキャッチャーだった。

先発の斎藤佑樹(早稲田)がサードのタイムリーエラーで2点を失って降板し、最後もアメリカのショートが普通のゴロを“お手玉”してサヨナラゲームになるなど、今大会は、日米のトップレベルの大学生の戦いのわりにはお粗末なプレーが散見されたのは残念だった。

私が初めて日米大学野球を“生”で観たのは、1978年のことだ。今から31年も前になる。松沼雅之(東洋)という全米を手玉にとるピッチャーが獅子奮迅の大活躍をして、キャッチャーには堀場秀孝(慶応)と中尾孝義(専修)という強肩強打の選手がいた。いま考えると、全日本の戦力もかなり充実していた。

2勝3敗で王手をかけられていた全日本(注・当時は7回戦制)が、この松沼の力投と、堀場のバックスクリーンへ放り込む豪快なホームランでアメリカを破り、つづく第7戦でも松沼が今度は救援投手として登場して全米の反撃をピタリと抑え、逆転優勝を飾った。

あの時、全日本の監督はかの島岡吉郎監督(明治)。自チームから限度枠いっぱいの「9人」を選び、そのため駒沢の石毛宏典や東海大の原辰徳ら有力選手が選ばれず、非難囂々になったものだった。

松沼のおかげで辛うじて優勝を飾った全日本。日の丸を背負って試合をすることは、いずれにしても大きなプレッシャーだった時代のことである。

今日、斎藤人気もあって、私の座席のまわりには佑ちゃんの“追っかけおばさん”がかなりいた。時代が変われば、観戦風景も変わるものである。

カテゴリ: 野球

大山康晴名人の「格言」

2009.07.13

今日は、東京ドームに日米大学野球の第2戦を観に行ってきた。全日本の先発は早稲田の斎藤佑樹。だが、今日の斎藤は球の伸びと変化球のキレ、いずれも今ひとつだった。

一方、アメリカは大型左腕・ポメランツを先発させた。重い豪速球に全日本のバッターはいずれも振り遅れて、ボールが前に飛ばない。初回に斎藤が連続タイムリーで2点を奪われ、早々に暗雲が垂れこめたが、3回に全日本の巧みなセーフティバントや、審判の微妙なジャッジなどが重なり、ポメランツが制球を乱した。

まだ全日本の各打者が対応できていなかったので、交代は時期尚早と思われたが、米軍ベンチの早めの動きが全日本に有利に働いた。この回、投手交代の間隙を突いて打者一巡の猛攻で一挙6点。全日本にとっては、たぶんに“幸運”に助けられた試合展開だった。

終盤、追い上げられた時にストッパーとして登場した東海大の菅野智之(2年)は圧巻だった。150㌔を超すストレートとキレのあるスライダーで全米打線を封じ込んだ。巨人の原監督の甥っ子として知られる逸材だが、今日の投球で一挙に再来年の“巨人のドライチ候補”にのし上がった。

打撃陣は、やはり“投高打低”の予想通り、低調だった。その中では、亜細亜大学の中原恵司外野手、東洋大学の佐藤貴穂捕手、九州国際大の加藤政義内野手の球に逆らわないシュアなバッティングが光った。

しかし、4番に座った亜細亜大学の主砲・中田亮二一塁手は、苦手の外角低めに全く対応できず、5打席ノーヒット2三振という散々な結果に終わった。ネット裏には各球団のスカウト陣が勢ぞろいしていただけに、今日の結果はドラフトに大きな影響を与えるだろう。

永田町では、いよいよ7月21日の週に解散して「8月30日投票」が固まった。麻生政権にとって惨敗必至の“やぶれかぶれ解散”である。だが、今回の決断に私は将棋の大山康晴名人が残した格言を思い出した。「終盤は二度ある」と「相手は必ず間違える」という言葉だ。

大山名人は、「負けることに慣れることから始めよ」と説いた棋士だが、この稀代の棋士は、その“負け”にしても、どうせ負けるなら「一手でも多く逃げろ」と弟子たちに常々語っていた。逃げて逃げて逃げまくれば、相手も人間。悪手をうって、いつ形勢が逆転するかわからないというわけだ。

麻生首相は、公明党の強い要望に応じて「8月30日投票」を吞まざるを得なかった。が、実は、これは、「終盤は二度ある」と「相手は必ず間違える」という大山名人のまさに格言通りの一手だったかもしれない。

風雲急を告げる北朝鮮情勢、中国の正体がまたしても世界に露呈されたウィグル暴動鎮圧、民主党のばらまき政策の財源問題、鳩山代表の政治資金規正法違反問題……等々、8月末までには、予測不能のさまざまな出来事が日本を襲ってくるだろう。

その時、民主党は今の人気を維持できているのだろうか。「終盤は二度ある」「相手は必ず間違える」――大山名人の格言は果たして麻生に微笑むのか否か。「8月30日投票」に向かっていよいよ勝負の夏が始まった。

カテゴリ: 政治, 野球

民主党「独裁政権」誕生の足音

2009.07.12

もはや悲鳴である。都議選の惨敗を受けて、「このまま総選挙に突入したら、俺たちはどうなる?」と、自民党の代議士たちは顔色なし、だ。

無理もない。今回の得票率を4年前の衆院の“郵政選挙”と比較して考えたらおもしろい。あの時、自民党は21%の得票率しかなかったにもかかわらず、480議席中、実に296議席を獲得している。つまり、21%の得票で61%の議席を確保したのだ。

これまで多くの学者が指摘してきたように、小選挙区制度の怖さは、一方の「地滑り的大勝」をもたらすことである。今回の都議選の民主党の得票率は実に40・7%。4年前に小泉自民党は、わずか21%の得票で6割を超える議席を占めたのだから、その倍近い得票率なら、当然、「ほとんどの議席を民主党が占める」ことになる。“8割政党”の誕生だ。

簡単に言えば、民主党「独裁政権」が誕生するということである。そうなれば、外国人参政権が認められ、拉致問題は軽視され、掲げられていた日の丸は引きずりおろされ、ひたすら中国のご機嫌ばかり窺って「日本列島は日本人だけのものではない」などと真顔で鳩山さんが言い始めるだろう。

恐ろしいことに日本はそんな国に変貌してしまうのである。来るべき総選挙は、その意味で「国の形」そのものを変えてしまう可能性があり、有権者は、そのことをよくよく考えた上で一票を行使しなければならない。

麻生内閣への不信任案が提出され、いよいよ大混乱が始まる。“一寸先は闇”の永田町で、熾烈な各党のサバイバル合戦が見ものだ。

カテゴリ: 政治

「康子十九歳 戦渦の日記」発売

2009.07.10

いよいよ本日から拙著「康子十九歳 戦渦の日記」(文藝春秋)が発売になった。取材をスタートさせて4年近くを要した、私にとって初の歴史ノンフィクションである。

主人公は東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)附属専攻科の女学生・粟屋康子さん。時は戦争末期、昭和19年から20年である。東京・十条の第一陸軍造兵廠に勤労動員された康子たち女学生と、同じくここに動員されていた中大予科の男子学生たちの青春群像を描いたものだ。

「特攻に行く人は誇りです。しかし、それを強いるのは国の恥だと思います。特攻はあくまで目的であって、手段であってはならないと思うの」――これは、康子さんが特攻を志願しようとする中大予科の学徒に向かって語った言葉だ。

私は、康子さんの日記に記されていたこの言葉に衝撃を受けた。誰もが「国のために」と一心不乱に働いた戦争末期、康子もまたそうした“軍国少女”の一人だった。しかし、彼女には、命をもって敵艦に突っ込んでいく特攻を「誇り」と捉え、同時に「国の恥」とも見る理性と感受性があった。そして、人間の命というものに対する愛惜の情があった。

死と隣り合わせの時代に生きた若者たちは何を考え、どう死んでいったのか。私は、彼女の妹・徳山近子さんが60余年にわたって大事に保管してきた康子さんの日記によって、これまでほとんどわからなかった当時の若者の真実の思いを知ることができた。

この4年近く、私は、康子さんの日記に記されていた人間を訪ね歩いた。多くが80代の老境を迎えていたが、彼らの口から語られる「人間」と「時代」への思いは感動の連続だった。

原爆で即死した粟屋仙吉広島市長(ゴー・ストップ事件の時の警察側当事者=大阪府警察部長=)の次女だった康子さんは、原爆を受けてなお生き残った母親を助けるために、東京から焦土と化した広島に向かう。

広島で二次被爆する康子さんは、「日本の未来」と「家族の愛」をなにより信じた乙女だった。彼女が残した日記や手紙は、涙なしでは見られない。私は拙い筆ながら、それらの文献と取材をもとにこの歴史ノンフィクションを一気に書き上げた。

是非ご一読ください。

カテゴリ: 歴史, 随感

“死”のタクラマカン砂漠

2009.07.08

新疆ウイグル自治区の暴動が海外に波紋を広げている。ついにサミット出席中の胡錦涛・国家主席がイタリアから帰国するそうだ。

報道によれば、これまで160人近くが死亡し、負傷者は1000人を超えているという。しかし、世界の人々は驚かない。昨年のチベット弾圧でもわかったように、中国の苛烈な少数民族に対する人権弾圧は「建国以来ずっと続いてきた」ものであり、こうした悲劇は、もはや「中国の常識」だからだ。

少数民族を人とも思わない中国政府によって、ウィグル族は長く虐げられてきた。タクラマカン砂漠で繰り返された核実験によってウィグル族には白血病が異常に多く、十分な治療や援助がないまま多くの人々が命を落としてきた事実が、これまでも国際社会に断片的に伝えられてきた経緯がある。

ために「タッキリ(死)」と「マカン(無限)」の合成語と言われるタクラマカン砂漠は、放射能汚染によって、文字通り「死の世界」になってしまった、とウィグル族の人々は嘆くそうだ。

虐げられてきたウィグル族にとって、「抗議デモ」(中国当局はこれを“暴動”と呼ぶ)は実は珍しくない。今回はたまたま海外で大きく報じてくれたが、中小の抗議行動はこれまでも繰り返しおこなわれてきた。

胡錦涛・国家主席もこれほどテレビで弾圧ぶりが報じられては、さすがに「人権」が重んじられる「サミット」の席では居心地が悪かったのだろう。

しかし、今回も中国は他国の非難には耳を貸さず、事態の鎮静化に努め、やがては更なる水面下での弾圧に精を出すだろう。私はこういう中国のニュースを見るたびに、12年前に封切られた映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を思い出す。

こちらは、チベット弾圧をテーマにしたブラット・ピット主演の映画である。あの美しいチベットの風景をバックに、中華人民共和国の誕生とほぼ同時に始まったチベットへの中国軍の侵攻、そして卑劣で非道な抑え込みの有様が描かれている。

内外に配慮して、チベット人への虐殺シーンはダライ・ラマの「夢のシーン」だったとボカしてはいるものの、画面を見ながら「実際はもっとひどかったんだろうなあ」と思わせるつくりになっていた。

これまでウィグル族の受けつづけた弾圧は、むろんチベットに劣らない。このニュースをきっかけに、中国の人権弾圧、そして北朝鮮のような無法国家などに「どう対応していくべきか」、国際社会が一致して行動するきっかけにできないものだろうか。

もちろん、そのイニシアティブを日本が取れるなら大したものだが、そんなダイナミックな政治家が誕生するのを期待するだけ無駄かもしれない。

偽善と思惑だけが大手を振って闊歩する国際社会。そんな中で、丁々発止やりあえるような国家の領袖が日本に生まれるのは、一体いつのことだろうか。

カテゴリ: 国際

野球談議と「永田町」

2009.07.07

昨日は、92年夏の甲子園に出場した明徳義塾の投打の柱だった河野和洋さんと岡村憲二さんと飲んだ。有名な「松井の5敬遠」で話題をさらった時の明徳義塾のメンバーである。

場所は、浅草橋の「四国のげんさん」という居酒屋。四国出身の津川さんというご主人が豪快な魚料理を出してくれる楽しい店だ。津川さんは、現在、パ・リーグの審判をしている元ヤクルトスワローズの津川力さんのお父さんだ。父子鷹で、長く野球をやってきただけあって、野球のウラオモテに精通している。

現在、河野さんは森田健作・千葉県知事が率いるクラブチーム「千葉熱血MAKING」の監督兼3番バッター、岡村さんは明治安田生命野球部のヘッドコーチを務めている。

野球の最前線でばりばり活躍している二人だけに、小生と津川さんが加わって、有意義な野球談議となった。今度、明徳義塾の「松井5敬遠」に関してドキュメントを書かせてもらうので、その面でも大いに参考になった。

日付がまわった頃、場所を新宿に移して、河野さんと「2次会」、「3次会」をやってしまった。朝まで開いているゴールデン街の飲み屋をハシゴして、すっかり朝になるまで飲み続けてしまった。スポーツをやり抜いた猛者との飲み会はやはり楽しいものである。

そんな中、永田町のテンヤワンヤはもはや収拾不能状態に。自民党による東国原大分県知事への出馬要請は完全に裏目に出ているし、自民党内は、「都議選に惨敗したら、総裁選前倒しは必至」と、総裁候補が誰になるか、ソワソワして“心ここにあらず”だ。

昔も今も、政治家の習性とは、「勝ち馬に乗って、いいポストにつく」ことだ。どう“ポスト麻生”の総裁候補を見極めるか、政治家としての“出世”と“生き残り”がかかっている。

選挙まであとわずか。都議選の結果を含め、「波乱」がもうそこまで来ている。

カテゴリ: 政治, 随感

もはや「何があっても」おかしくない

2009.07.05

来週12日の東京都議選の前に衝撃が走った。

本日、投開票があった静岡知事選で与党の自民・公明が推薦した坂本由紀子候補が、民主ら野党推薦の川勝平太候補に終盤で逆転され、わずか1万5000票差とはいえ、落選してしまったのだ。

これで来週の都議選に敗れれば、麻生官邸は解散など到底打てない状況に追い込まれる。与党は4月以降、名古屋、さいたま、千葉の政令市長選挙に続く主要地方選「4連敗」を喫したのである。

すでにマスコミの事前調査で、東京都議選も与党敗北の可能性を示す数字が各社出てきている。このまま“都議選後”の解散を断行すれば、自民党の歴史的惨敗、そして民主党の単独過半数という仰天の結果が生まれそうだ。一方に振れると「際限がない」小選挙区制度の致命的欠陥が露呈するわけだ。

政治センスなし、信念なし、哲学なし、の“ないないづくし”の麻生首相が、いよいよ最後の最後、崖っぷちに追い込まれたわけだ。

しかし、麻生さんの失点によってここまでの「差」が生じたものの、言うまでもなく民主党も脛(すね)には沢山の“傷”を持っている。鳩山代表の“故人”献金疑惑も本来なら代表辞任もおかしくない問題だ。政権を奪っても予算委員会等での追及は必至で、永田町雀の間では、早くも「たとえ民主党が政権を奪取しても、1年もたないだろう」という冷ややかな予測が流れ始めている。

外交・安保・消費税・東アジア情勢・年金……等々、民主党の基盤を揺るがす危機的問題は目白押しだ。今回、下野しても自民党は国会でこれらの問題をひとつひとつ取り上げ、民主党を締め上げていくだろう。

民主党政権は来年7月の参院選前に、衆院解散に追い込まれ、「ダブル選挙になる」という見方もある。となれば、またしても「歌手1年 総理も1年 使い捨て」となるわけで、日本の政治は、今後もしばらく世界の笑いモノになりそうだ。

カテゴリ: 政治

「選挙の夏」が始まった

2009.07.04

昨日の都議選(定数127)の告示に伴い、本日は都内のあっちこっちで都議選候補者たちの街頭演説が見られた。

都議選に力を入れる公明・創価学会は、候補者の演説にしっかり“動員”をかけているようで、ひと目で創価学会婦人部とわかる熱狂的支持者たちが、熱心に拍手や声援をおくっていた。

投票率が上がらない都議選、区議選レベルでは、彼ら公明・創価学会が圧倒的な力を発揮する。衆院選とのダブル選挙を必死の思いで回避した公明・創価学会だけに、いよいよこの夏、日本最大の集票マシーンをフル稼働させるつもりだ。投票率さえ上がれば、いうまでもなく彼らの占める率は低下する。それだけに、できるだけ投票率が上がって欲しいものだ。

しかし、肝心の自民党と民主党の“敵失合戦”は、コトここに至ってもまだ予断を許さない。というのも、鳩山由紀夫民主党代表の“故人”献金疑惑は、時間が経過するに従って次々とボロが出てくる有様。ここを徹底的に突けば、民主党のクリーンイメージは崩せる、と自民党は踏んでいる。あとは、「時間」との戦いだ。

北朝鮮が日本海にミサイルをブチ込んでデモンストレーションを行うなど、風雲急を告げている国際情勢の中で、日本だけが“敵失合戦”とはなんとも情けないが、とにかく膿は出し切った上で、スキャンダルではなく「国家戦略」を語り合う政権選択選挙になって欲しい。

衆院「解散前夜」の都議選。民主党が「政権交代」をアピールできるのか、それとも自民党が「逆風を止める」のか。

ここで自民党が惨敗すれば、言うまでもなく麻生政権は“液状化”する。総理の専権事項である解散権さえ吹っ飛び、党内が「新しい顔」を求めて、一気に走り始めるだろう。

興味は尽きない。


カテゴリ: 政治

「歌手1年 総理も1年 使い捨て」

2009.07.01

ボタンのかけ違いはどこから始まったのだろうか。

あれほど人気があった麻生太郎という政治家が、ここまで「落ちぶれてしまったこと」がフシギでならない。本日、一部閣僚の兼務を解き、内閣の“小幅人事”がおこなわれたが、もはや何をやっても逆効果ばかりだ。

森喜朗、野中広務ら“新・元老”の意向によって一気に流れをつくられ、福田康夫政権が誕生したのは一昨年(2007年)の9月だった。もともと国民的な人気もなく、権力の基盤、拠りどころがない福田首相が政権を維持できるはずもなく、1年後に総裁選を経て麻生氏が政権を奪取すると、今度こそ「本格政権」誕生か、と思われた。

しかし、政治家としての“旬(しゅん)”とは恐ろしいものである。麻生さんが悲願の政権の座をものにした時、彼の人気はすでに下り坂を転がり始めていた。

「歌手1年、総理2年の使い捨て」と語ったのは、かの竹下登・元総理だったが、このまま麻生さんが政権を降りると、小泉以後の安倍・福田・麻生、すべてが「1年の命」ということになる。

国家の領袖が「2年」ももたない国。国家戦略を持たない日本ならではの現象と言える。すでに次期総理最有力の鳩山由紀夫民主党代表も、政治資金収支報告書の虚偽記載問題で暗雲が垂れ込めている。

世界ナンバー2の経済大国が、「歌手1年 総理も1年 使い捨て」だという。戦略なきこの迷走国家に果たして“明日”はあるのだろうか。

カテゴリ: 政治