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「風にそよぐ墓標」父と息子の日航機墜落事故

2010.07.30

今日は、ニッポン放送の「上柳昌彦のごごばん!」に午後2時から2時40分まで出演させてもらった。来週出版される拙著「風にそよぐ墓標―父と息子の日航機墜落事故」(集英社)に関するゲスト出演だった。

いつも軽快なパーソナリティ上柳昌彦さんと、今日は初めてタレントの山瀬まみさんとご一緒した。上柳さんと、年齢を感じさせない(失礼!)可愛いらしさを持った山瀬さん相手に新刊の話をさせてもらった。

今年の8月12日は御巣鷹山事故25周年の日である。拙著は、四半世紀となったこの事故を「父と息子」の観点から問い直したものである。

25年前の群馬県藤岡市。愛する者が、腐敗していく体育館で、遺族たちは茫然とし、うろたえ、絶望した。しかし、腐乱臭の中、息子たちは、それでも目を背けるような肉塊と向き合った。

父親の遺体を探し求める彼らを支えたのは何だったのか。絶望の中を彷徨う息子たちは、25年という年月を経て、彼ら自身が“父親”となった。その時、彼らは自分の子どもたちに何を伝えるのだろうか。

これまで、夫や子どもたちの「死」の哀しみを語る妻や母、すなわち女性たちによってのみ語られてきた御巣鷹山の悲劇。しかし、私は、父の遺体の確認に向かった当時の“子どもたち”の25年後を追った。

訪ねてきた私に、何人かは取材を拒否し、何人かは応じてくれた。胸の内を吐露してくれた男たちの凄まじいドラマに、私は取材の過程で何度もペンを止め、さまざまな思いに耽った。

取材を終えて感じたのは、「人間とは素晴らしい」ということである。家族の愛情の壮烈さにも圧倒された。時間の壁の向こうに封じ込まれつつあった人間ドラマを、本書を通じて是非知って欲しいと願う。

カテゴリ: 事件, 随感

緻密な取材と資料収集を

2010.07.28

今日は、ひっきりなしに事務所に来客があった。最後は、今年マスコミに入った早稲田野球部のOBだ。

フレッシュマンの彼は、しばらく見ない間に“社会人”、そして“マスコミ人”になっていた。話は、取材のやり方から歴史問題、高校野球、大学野球、そしてプロ野球にまで及び、時間が経つのを忘れた。

若い人と話すといろいろな刺激がある。最大のものは、ジャーナリストに最も必要な相手から吸収しようとする「意欲」を思い出させてもらえることだ。目がギラギラしていた自分自身がフレッシュマンだった頃を久しぶりに思い浮かべた。

今日はそれと共に、来週発売になる新作のカバーと刷り出しが事務所に届いた。多くの方に取材に協力いただき、やっとでき上がったものだけに感慨深い。

私の作品は、人間讃歌が多い。凄まじい生きざまを示した毅然とした日本人を描くのがテーマの一つだからだ。4月末に出した「この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡」は発売3か月足らずで、もう累計7万部を突破した。来週発売の新刊も、是非この勢いでいきたいものだ。

いつも書くことだが、ノンフィクションというのは、いかに「自分」を消せるかにかかっている。客観的に人物と情景をいかに描写できるかがポイントだ。作者の思い入ればかりが鼻につくノンフィクションが幅を利かす中、いかにそれとは正反対の作品を生み出せるかが私の課題である。

来週発売の作品は、まさにそのことに徹したものだ。これからも緻密な取材と資料収集を旨として、このような作品を次々と生みだしたい。

カテゴリ: マスコミ, 随感

スラッガーを発掘せよ

2010.07.26

3日前のブログで書いた二人の孤高のエースは、甲子園への厚い壁を破ることができなかった。そして、その両投手を破った強豪が昨日今日と、相次いで甲子園へ名乗りを上げた。

高知の明徳義塾と西東京の早稲田実業である。両チームは、ピッチャーのタイプや打線のつなぎ方が極めて似ている。都会的なスマートさ(早実)と、田舎の泥臭さ(明徳)の差こそあるが、両チームは今大会のダークホース的存在になりそうだ。

さて、今日は、世界大学野球選手権に出場する大学日本代表チームとプロ野球の若手選抜が激突した。今や大学球界ナンバー・ワンの左腕にのし上がった東洋大学の藤岡貴裕がプロ選抜の打線を5回無得点に封じ込めた。プロの打者といえども藤岡の速球とスライダーは打てない。また注目の東海大学の菅野智之が153㌔のスピードボールを連発するなど、観衆を湧かせた。

試合は、プロ選抜が4対0で勝ったが、大学球界の好投手がマウンドに上がれば、プロの打者でもそうは打てないことが証明された。

しかし、ここ10年以上つづく大学球界のスラッガー不足はいよいよ深刻だ。中央大学の体重100㌔の巨漢・井上晴哉が打線の4番に座り、振り幅の大きい豪快なスイングで注目を浴びたが、ほかは小粒で、プロのピッチャーからライナーを飛ばすことなど、とても望めないレベルだった。

アメリカやキューバといったキレとスピードで勝負してくる本格派投手を大勢抱えるチームとどうやって戦うのか、極めて心もとない。

投手力では世界屈指となりながら、スラッガー発掘に苦戦をつづける日本球界。なんとか救世主が現れて欲しいものだ。

野球の魅力は、なんといっても鋭いライナーが外野を抜けていくスピード感にある。基本はやはりスラッガーのパワーである。才能ある打者たちには、地道な努力でパワーアップを果たしてもらいたいものである。

さて、夏が来ると、ブログも自然と野球関係が増えてくる。迷走する菅政権についての論評もあす以降させてもらうが、国民の目が政治から別に向いていることで辛うじて菅さんも権力の座に踏みとどまっている感じがする。

支持率が下がれば終焉を迎える菅さんにとって、暑い夏こそ正念場だ。

カテゴリ: 野球, 随感

孤高のエースは甲子園へ行けるのか

2010.07.23

夏の甲子園大会の予選が各地で佳境を迎えている。高校生活3年間の総決算である夏の選手権大会は、特に予選がおもしろい。筋書きのないドラマが展開され、いつになっても手に汗を握らされる。

特に孤高のエースがマウンドを守るチームは、つい応援にも力が入る。夏は過酷な炎天下の中で連投となるため、複数エースを擁する伝統校が、やはり最後に笑うことが多い。

たった一人でマウンドを守り、最後は連戦の中、伝統校に力尽きて敗れていくエースの姿を私はこれまで数多く見てきた。力及ばず、壮烈な最後を遂げて高校野球を卒業していくエースたちの姿はいつ見ても感動的だ。

高校野球は人生の中で3年間だけしか許されない“限定された闘い”である。それだけに、勝つ側も負ける側も、試合にぶつける思いは強烈で、そこから死力を振り絞った筋書きのないドラマが生まれるのである。

私は明日(土)、伝統校に立ち向かう二人のエースに注目している。西東京の早稲田学院、千葉投手と高知・岡豊高校の田内投手である。

二人は共に171センチと、昨今のピッチャーの中では小柄な部類に属する。早稲田学院の左腕・千葉がスクリューボールやスライダーを駆使して打者を翻弄し、最後はずばりと内角を突く思いっきりのいいピッチングを身上とするのに対して、岡豊の田内は、強靭な足腰のバネを武器に、140㌔台のストレートとキレのあるあるスライダーを武器に真っ向から打者を切ってとる右の本格派だ。

この小柄な左右の両エースは、強豪をなぎ倒して準決勝まで進出、それぞれベスト4で伝統校と激突する。早稲田学院は、姉妹校の早稲田実業と、岡豊高校は強豪・明徳義塾との闘いである。共に全国制覇の経験のある伝統校に対して、連投のエースが挑むのである。

千葉は5回戦、準々決勝と連続完封を成し遂げ、特に東亜学園との我慢比べになったベスト8では、スクイズで挙げた1点を、ピンチに耐えて守り切った。一方の岡豊・田内は、昨秋、今春の四国大会で快速球を披露して上位へ進出し、春の選抜への出場要件を満たしながら選抜されなかった悲運のエースである。

共に炎天下の中、強豪校に挑む二人。彼らのような孤高のエースが、すでに全国で次々と姿を消している。沖縄から春夏連覇に向かって名乗りを挙げている興南のエース島袋に檜舞台の甲子園で闘いを挑む孤高のエースは誰か。その雄姿を早く見てみたい。

カテゴリ: 野球, 随感

菅内閣、ジリ貧への道

2010.07.20

参議院の議長ポストをめぐって駆け引きが続いている。これを菅政権は独自に決める力さえないそうだ。

衆院と参院で与野党の勢力が逆転する「ねじれ国会」となり、参院では自民党などが議長ポストを要求、調整が難航しているのだ。

世論調査でどのメディアも菅内閣の支持率が40%前後となり、不支持率はそれを上まわって45%前後となり、初めて「不支持」が「支持」を上回ったことを報じている。

国民の支持率が唯一の政権の原動力だった菅内閣は、完全にジリ貧への道を進んでいる。選挙直後に内閣改造もおこなわず、国民が選挙で示した“民意”への対応はゼロ。菅政権は短命に終わることを自ら選択した愚かな政権と化してしまった。

このまま世論調査ごとに支持率が低下していくのは必至で、そのたびに“反主流”の小沢グループと連携しようとするグループが党内に出て来るだろう。そしてやがては反主流の数が主流派を上まわり、政権は立ちいかなくなるのである。

座して死を待つ方策を選んだ菅首相とそのブレーンたちの政治センスを疑いたくなる向きは少なくあるまい。あとは小沢氏と検察との闘いの結果次第という、他人まかせの状態というのが情けない。

韓国から金賢姫元死刑囚が来日し、トップシークレットを持って来たが、もともと親北朝鮮の菅首相には、その情報を生かすこともできないだろう。サプライズのない“老いたる元市民運動家”は、この暑い夏をどう乗り切るつもりなんだろうか。

サミットでは、「中国をサミットに参加させよう」と提案し、先進国首脳に鼻で笑われた菅首相。人権と民主主義を共有する先進国でつくられたのがサミットであることすら菅首相は知らないのである。

日本をどこへ引っ張っていくかわからないような人は、確かに早々と退いてもらう方が国民のためかもしれない。

カテゴリ: 政治, 随感

「あの一瞬」 アスリートはなぜ“奇跡”を起こすのか

2010.07.18

新潮社から『あの一瞬 アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか』が発売になった。2009年4月から「新潮45」に1年間連載したスポーツドキュメント「あの一瞬」に大幅に加筆し、2部構成として生まれ変わらせたノンフィクションだ。

◎第1部 「オリンピックという魔物」
第1章 最強ランナー「瀬古利彦」はなぜ破れたのか
第2章 女子ソフト「悲願の金」をもたらした女の輪廻
第3章 極限の緊張を凌駕した「加藤沢男」の大逆転劇
第4章 山下泰裕を揺るがせた「遠藤純男」の執念
第5章 サッカー日本代表はなぜ「銅」を獲得できたのか

◎第2部 アスリートの原風景
第6章 「ファイティング原田」が演じた世紀の番狂わせ
第7章 日米野球の因縁と「怪物スタルヒン」の涙
第8章 「新日鉄釜石vs同志社」史上最強激突の意地
第9章 大鵬・柏戸「昭和最高の決戦」秘話
第10章 明徳義塾ナインが「松井五敬遠」で見た風景

1年間、連載を続けたものをもとにしているだけに無事、上梓できた喜びは格別だ。サッカー、ボクシング、柔道、野球、マラソン、ラグビーなど、さまざまな競技から歴史に残る名勝負をピックアップし、勝敗を分けた「一瞬」に至るまでのアスリートの心の軌跡に迫った。

第1章の瀬古さんをはじめ、挫折から這い上がる人間の壮絶なるドラマは必ず生きる勇気を湧き立たせてくれると思う。

折しも梅雨明け宣言を待っていたかのように全国で高校野球の予選が開幕した。いよいよスポーツ本番。今年も暑い夏がやって来た。

悩める若者に勇気を

2010.07.14

今日は、事務所に千客万来だった。単行本の締切が終わった後、そのまま地方出張に行ったため、たまりにたまった用件が一挙に押し寄せた感じだった。

フジテレビの「ザ・ノンフィクション」の番組スタッフが私のコメント録りのために、やって来た。昨年、台湾&金門島にまで一緒に行ってもらったスタッフである。

「この命、義に捧ぐ――台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡」がすでに5刷・5万部を超えたことは以前、このブログでも書いた。今度は、この根本中将について、フジテレビが8月15日の終戦記念日にドキュメンタリー番組を制作して放映してくれるのである。

「門田さんはなぜ根本中将を書こうとしたのか」「なぜ台湾で根本さんのことが歴史上から消されていたのか」「それをどうやって掘り起こしていったのか」……さまざまな観点から質問が飛んだ。

毅然とした日本人像を描くことをテーマとしている私には、根本さんのように“義”に命を捧げ、毅然と生きた人の生涯を描くことは最大の喜びだ。こういう題材に出会った時の嬉しさは何事にも代えがたい。

取材での苦労話も交えながら、いろいろとコメントさせてもらった。スタッフは「あまりに描かなければならない事柄が多過ぎて、放映時間(1時間)が短かすぎます」と嘆いていたが、今から放映が楽しみである。

出版界でノンフィクションが“冬の時代”であるのと同様、テレビの世界でもドキュメンタリー番組はバラエティーやドラマに押されている。彼らの奮闘を祈らずにはいられなかった。

毅然と生きたかつての日本人の姿を「現代」に蘇らせて欲しい。根本さんの生きざまは、人生に悩み、挫けそうになっている若者にも必ず勇気を与えてくれるものと思う。

カテゴリ: マスコミ, 随感

幻想は消えた

2010.07.11

民主党の敗北が決まった。昨年8月の衆院大勝利から10か月余。この国民の審判は何だったのか、と思う。昨年の自公政権への痛烈な国民の“ノー”と、今回の民主党への“ノー”が何だったのだろうか、ということである。

私は、今回の国民の意思表示は、奥の深いものだと思っている。あれだけの期待をもって誕生した昨年の民主党政権を、私は冷めた目で見ていた。あの時のブログを見返してみても、ここまで言うか、というぐらい民主党政権に辛辣な言葉を用いている。

その理由は、民主党に完全に政権を委ねて日本は果たして立ちゆくのか、という根本的な疑問があったからである。民主党政権の政策をひと言でいうなら「日本を日本でなくす」ということである。

「日本列島は日本人だけのものじゃない」と言ってのけた鳩山さんの発言を見るまでもなく、民主党政権はひたすら“日本”というものを無色化しようとしてきた。

そのことに「たちあがれ日本」をはじめ、いくつかのミニ政党が異を唱え、“日本”を前面に押し出して、愛国心に訴えようとした。

しかし、「たちあがれ日本」は票を集めることができず、その中で「みんなの党」がそれを吸収した形となった。

「とりあえずチャンスを与えるからやってごらん」。国民は昨年、あまりにひどい自公政権に愛想を尽かし、民主党にチャンスを与えた。しかし、繰り返される失態に、「日本はこのままで大丈夫か」ということを多くの国民が本気で考え始めたのである。

外国人参政権や人権擁護法という問題法案が今回の参院選にかかっていた。民主党が勝てば、多くの法案が国会を通過し、「日本が日本でなくなる」ペースは一挙に加速しただろう。

それをぎりぎりで阻止した今回の選挙結果に、国民のバランス感覚の絶妙さを私は感じている。昨日も書いたように、少なくとも借金をしてでもバラ撒きをしようという無責任政策は国民の痛烈な“ノー”を突きつけられたのである。

民主党に対する“期待”という名の幻想は完全に消え去ったのだ。

カテゴリ: 政治, 随感

前門の虎、後門の狼

2010.07.10

今日は、福岡県の京都郡みやこ町勝山で、93歳の零戦の元パイロットを取材させてもらった。そのまま汽車と新幹線を乗り継ぎ、広島にやってきた。明日は「戦艦大和」の生き残り乗組員にお会いする。

今週の水曜日に東京を出て早くも4日経った。出発前に「期日前投票」を済ませてきたが、いよいよ明日は参院選の投票日だ。民主党政権ができて以来、初めての本格的な国政選挙である。

菅首相が自らの首をしめた形になった消費税引き上げ問題。おそらく菅首相は、政権を担う責任ある立場として、消費税引き上げが避けられないことを国民に理解してもらうために敢えてこれに「言及した」のだろう。

だが、国民が怒っているのは、単に「引き上げが嫌だから」だけではないことを菅さんも知った方がいい。片や子ども手当に何兆円も使ってバラ撒きを平気でやっておきながら、一方では、税収不足だから消費税を引き上げてこれを補おうとしているのである。

その発想に「いい加減にしろ」と、国民は怒っているのである。子孫にツケを残すバラ撒き策と、消費税引き上げという2つが「セット」になったために、「ああこの政権はダメだ」と、批判が噴き上がったことを見誤ってはならない。

しかし、だからといって「自公政権に戻したい」という声が上がってこないところも興味深い。自公政権下で昨年実施された定額給付金でもわかるように、バラ撒きの発想は自公政権も変わらないのだ。

あの定額給付金でも実に2兆円の国民の税金が消えた。公明党がくっついている限り、自民党もこの手のバラ撒き政策からは逃れられないわけで、その意味でせっかく民主党批判が高まっても、自民支持への大きなうねりとは成り得ないのである。

このマグマのような国民の怒りと不満を吸収できる政党がないところが寂しいかぎりだ。みんなの党が比較的、健闘しているようだが、獲得議席をどこまで伸ばせるか注目だ。

仮に獲得議席が二桁に乗るようなことがあれば、一気にこの党の発言力と存在感が増す。今後の混乱政局のイニシアティブをとるようになるだろう。

菅政権が選挙に敗北すれば、民主党内で小沢一派が息を吹き返すことも注目だ。そうなれば、9月の民主党代表選は修羅場と化すだろう。

菅首相にとってはまさに“前門の虎、後門の狼”。泣いても笑っても明日の結果がすべてを決める。

カテゴリ: 政治, 随感

真実にこそ感動がある

2010.07.08

昨日は東京から佐賀、長崎、そして今日は夜、福岡にやって来た。明日は福岡市内の取材の後、小倉に移動する。証言者を訪ねて九州行脚である。

太平洋戦争“生還者”の証言に日々、感動を新たにしている。極限の「生と死」の場にいた人々の述懐は、やはり重い。うわべだけの正義を振りかざしてきた戦後ジャーナリズムの浅薄さが浮き彫りにされるようだ。

拙著「この命、義に捧ぐ」が発売2カ月で5万部を超えた。ともに12万部を超えた「甲子園への遺言」と「なぜ君は絶望と闘えたのか」を上回るペースだ。

「なぜ君は絶望と闘えたのか」は、江口洋介が主役となってドラマ化させることになった。この秋に放映されるそうだ。新刊「この命、義に捧ぐ」も、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」が8月15日の終戦記念日に取り上げてくれることになった。

自分の作品が次々とテレビ化されることは嬉しい。多くの方にこの主役たちの生きざまを知ってもらえるからだ。

以前にも書いたが、出版界がノンフィクションを軽視し、個人の特殊な体験や告白ものばかりを囃したてるようになって久しい。そういうものなら出版社は費用をかけずに作品を生み出せるからだ。

しかし、やがてノンフィクション全体が読者にソッポを向かれ、本格的なノンフィクションの絶対数が少なくなっていった。

その結果、手間ヒマとお金がかかるノンフィクション作品が生まれにくくなるという悪循環に陥った。今、まさにノンフィクション界はその地獄の中にいる。出版界自体がノンフィクションを貶め続けているわけである。

しかし、「この命、義に捧ぐ」で取り上げさせてもらった根本博中将、「甲子園への遺言」の“伝説の打撃コーチ”高畠導宏さん、「なぜ君は絶望と闘えたのか」の本村洋さんなど、凄まじい生きざまを示した人間、あるいは感動を覚えずにはおられない出来事や現象はいくらでもある。

こういう人物や出来事を描けるのは、ノンフィクションだからこそである。真実ゆえに読者が「共感してくれる」のだと私は思っている。

本を1冊仕上げるごとに「人間とは素晴らしい」と思う。毅然と生きた日本人をまた自分の手で紹介できた、という喜びは何物にも代えがたい。

小説の世界に大きく水をあけられているノンフィクション界をどうか応援して欲しいと思う。真実ゆえに必ず生きる勇気と気力を与えてくれるはずだ。そういう題材があるところに私はどこへでも行く。

カテゴリ: マスコミ, 随感

予断を許さない参院選

2010.07.07

ここのところブログの更新もできず、ひたすら原稿を書き続けた。そして今朝、原稿500枚を無事、入稿した。発売は8月5日だ。出版社も特別体制で突貫の編集作業をおこなってくれるそうだ。

なんともありがたい。しかし、編集者との打ち合わせもできず、徹夜明けのまま別件の取材で九州・佐賀に飛んできた。そして夜は長崎にいる。

90歳になる元海軍の軍医中尉にお会いするためである。明日は長崎でこれまた海軍の元軍人に取材させてもらう予定だ。若いつもりでも、さすがに徹夜が身体にこたえる。

巷では、いよいよ参院選の最終盤だ。野党から包囲された形の民主党・菅政権は、じりじりと支持率を落としている。

「このままで日本はいいのか」という各党の十字砲火で後退を余儀なくされているのだ。勝敗はまったく予断を許さない。マスコミの世論調査は、与党民主党の過半数確保は無理、というのが一般的だが……。

NHKの大相撲中継中止の決定は、当然だった。傲慢な態度でマスコミを会見で怒鳴りつけた武蔵川理事長も、世間の怒りの凄まじさを思い知っただろう。

今後の注目は、国税局の出方だ。常識外れの賭け金を野球賭博につぎこめる力士たちの“ごっつあん体質”に国民の怒りは高まっている。

税の捕捉率がいまだに不公平著しい日本で、財団法人という税の優遇措置を受ける協会の人間たちが、納税の義務もろくに果たさないまま何千万もの金額が動く賭博にウツツを抜かしていたのだ。一生懸命応援してきたファンこそ、いいツラの皮である。

これをきっかけに公益法人への課税問題を政治課題にして欲しい、と思う。特に宗教法人への課税措置だ。消費税の引き上げなど議論にならないほどの財源がそこには眠っている。そこへ切り込む政党が出てくれば、国民の拍手喝さいを浴びることは間違いない。

書きたいことは沢山あるが疲労困憊なのでこのあたりで。長崎のホテルにて。

カテゴリ: 政治, 相撲

家族愛と使命感、責任感の物語

2010.07.02

このところ単行本原稿に追われ、昼夜逆転の生活をつづけている。原稿用紙にして500枚。2週間でこれを書き上げる。

今回の作品は、極限に置かれた時に発揮された家族愛の物語である。今年は日航機墜落事故から、ちょうど「四半世紀25年」の節目の年にあたる。

突然の不幸に見舞われた人々がそれにどう立ち向かい、どう克服していったか。多くの人が登場する家族愛と使命感、責任感の物語は、25年の時を経ても色褪せることがない。

四半世紀に及ぶ沈黙を破った人々の感動のノンフィクションを近々、お届けしたい。

カテゴリ: 随感

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