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国民には関係ない「党内融和」

2011.08.29

怨念の凄まじさを見る民主党代表選だった。親小沢か、反小沢か。相変わらず国民とは何の関係もない低次元の代表選を見せられた。

本日の民主党代表選で、第1回目の投票では、小鳩連合の支援で143票を集めた海江田万里氏がトップ。しかし、野田佳彦氏との決選投票ではわずか「34票」、率にして「23%」しか票を上積みすることができず、獲得票は177票にとどまった。

一方の野田氏は1回目が102票で、2回目は一挙に「113票」、率にすれば「110%」の票を上積みして獲得票を215票まで押し上げた。1回目投票の倍以上である。

雪崩を打つというのは、まさにこのことだろう。各陣営の票が、一挙に野田氏に流れ込んだ。「ここまで小沢一郎氏への反発は強いのか」と、国民も民主党内の怨念の深さを改めて見せつけられた格好になった。

かつて海江田氏は『僕が小沢政治を嫌いなほんとの理由』という本を書いている。しかし、その後、鳩山グループに入った海江田氏は、親分の鳩山由紀夫氏を介して小沢氏のご機嫌を伺うようになる。それにつれて、党内で誰もが羨ましがる枢要ポストを歴任するようになった。

小鳩連合の支持によって今回、海江田氏は総理有力候補となったが、党内の反発は予想以上だったのである。海江田氏は、衆院の通商産業委員会で執拗な出処進退に対する質問に対して感極まって涙を流すなど、情緒面からも一国のリーダーにふさわしい人物とはとても思えなかった。

それに対して野田氏は、風貌通りの愚直系のキャラクターを前面に押し出した。今日、1回目の投票にあたって、あえて「初めて選挙に出た時の苦労話」を演説したのは、国家のリーダーを決める代表選では違和感があった。「いったい何を言っているんだ」と一般の人は思ったに違いない。

しかし、これは海江田氏との違いを徹底的に強調する野田氏のしたたかな戦術にほかならなかった。つまり、力のある者には迎合する海江田氏と、愚直を売り物にする自分との差を強調するための戦略である。地盤も看板もない中から這い上がってきた自分を印象づける作戦である。

“海江田総理”の誕生によって、この20年間、永田町を混迷させてきた小沢氏の専制政治の悪夢をさらに見つづけるのか、それとも、地味で愚直な“野田総理”を戴き、活路を見出すのか。選挙基盤の脆弱な民主党の各議員は、小沢氏の意のままになる人物よりも、地味で愚直な政治家の方を選んだのでことになる。

小沢氏と小沢チルドレンたちも、小沢氏に対する怨念と反発の強さをそろそろ悟るべきだろう。私自身は、野田新総理に期待する点はほとんどない。だが、少なくとも海江田氏よりは、国民にとってベターな選択だったと思う。少なくとも5人の候補者の中ではもっとも行財政改革に熱心であり、露骨な介入をしてくる小沢政治に対抗できる図太さを持っているからだ。

野田氏に逆転されて「2位」にすらなれなかった前原誠司氏には、原因がどこにあったのか、よく考えて欲しい。陣営の幹部に「仙谷由人」という人物を抱え、その影響を受けることと、偽メール事件で代表の座を追われ、さらには外国人献金問題で外相の地位も追われた前原氏の姿勢そのものに、多くの民主党議員が「?」を抱いているのは間違いない。前原氏は、愚直な政治活動によって、その議員たちの疑問符を徐々に取り除いていくしかないだろう。

あたりまえのことだが、国民には、民主党の“党内融和”など関係がない。大震災からの復興が待たれる日本に、そんなものにつきあっている余裕も時間もない。野田氏には、そのことをしっかり考えて欲しい、と思う。

カテゴリ: 政治