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「台湾総統選」の深層レポート

2012.01.19

昨夜遅くに台湾から帰国し、「台湾総統選」の深層レポートを朝方までに仕上げて入稿した。今日は、昼に成田で講演があったので、そのまま講演に出かけてすぐ取って返し、朝入稿したばかりのゲラを夜、やっと校了した。

さすがにほとんど徹夜だったので、身体にこたえた。台北でも連日、夜は飲み会も兼ねた取材の連続で、そのまま帰国して執筆というハードなスケジュールだった。

台湾の将来、ひいては日本の将来にかかわる重要な総統選だったことを、記事を書き終わって、あらためて感じた。来週月曜発売の「週刊ポスト」に〈台北発「深層レポート」門田隆将〉として掲載されるので、是非、お読みいただければ、と思う。

今日の講演では、必然的に台湾総統選のことをかなりの時間を割いて話させてもらったが、皆さんが熱心に耳を傾けてくれた。やはり、政治家などより一般の人々の方が、よほど国の将来を心配しているように思える。

今回、訪台して驚いたのは、もはや台湾が中国の経済力なくして「自立して歩んでいくことはできなくなっている」と、多くの台湾人が思っていたことだ。90年代に外貨準備高で世界一を誇ったあの台湾は、一体どこにいったのか、と思う。

しかし同時に、熱狂の総統選が示したように、選挙で国のトップを選ぶという「民主主義の中にいる台湾人」を多くの中国人が羨ましく見ているのも事実だ。

人権が脅かされる共産党独裁の国で暮らす中国人が、総統選の当落で涙を流す台湾人たちの姿を羨望の目で見るのは当然だろう。台湾の人たちが、大陸を恐れるのではなく、逆に民主主義を大陸に“輸出”することができるか、今後の大きな課題になるのではないだろうか。

同時に私が感じたのは、中国の急速な台頭を必要以上に脅威と思う人たちが多いことである。日本も台湾も同じだ。特にマスコミには、その傾向が強い。たしかに、ここ10年は、ひょっとしたら中国が“わが世の春”を謳歌するかもしれない。しかし、それもせいぜい10年ほどだろう。

日本が高度経済成長以後も、長く豊かな生活水準を保ったようには、中国はいかない。長くつづく“一人っ子政策”によって、巨大国家・中国は人口構成が歪(いびつ)で、高齢者を支えるために、日本以上に若い世代の負担が大きくなっていく。

つまり、中国で社会の活力が長く続くことは極めてむつかしい。もっとはっきり言えば、中国の行き着く先は、「破綻」しかないのである。

その時、国家や社会を支えるのは、その国民が持つモラルや勤勉性など、“人間力”にほかならない。それぞれの国民にそれぞれの特性があるのは当然だが、日本人が多くの先輩たちが培ってきた人間力をその時、維持できているかどうか。

ふたたび日本がアジアをリードできる時代が来るかどうかは、そこにかかっている。今回の訪台は、私にそんなことをじっくり考えさせてくれる貴重な機会だったように思う。

カテゴリ: 台湾, 随感