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ついに結審した「光市母子殺害事件」裁判

2012.01.23

夜が来て、東京に雪が降り積もってきた。35日間の乾燥注意報が途切れた先週、ちらほらと雪は舞っていたが、さすがに積もるまではいかなかった。

しかし、今日は夜が更けるにつれて摂氏4度、3度、2度と気温が下がり、ついには雨が雪となり、さらに積もってきた。多摩では相当の積雪と、テレビが伝えている。

さて、今日は昼間、千代田区隼町の最高裁判所に行ってきた。昨日のブログでも書いたように、光市母子殺害事件の第二次上告審が最高裁第一小法廷で開かれたからだ。

昼12時半、最高裁裏門の傍聴券抽選場所に行くと、すでに報道陣が2、30人集まっていた。顔見知りの記者と一緒に並んで傍聴券をもらった。傍聴希望者が31人並んだが、幸いに抽選までには至らず、全員が入廷を許された。

光市から遺族の本村洋さん、九州から本村さんのご両親、そして亡くなった弥生さんのご両親も岡山から駆けつけていた。皆さんとは久しぶりだったので、私も法廷で短くご挨拶した。

元少年の弁護団は、法廷内の弁護人席の第一列に5人、第二列に6人、さらには、傍聴席の第一列にも10人ほどがずらりと並んだ。たった1人だけの検察側とは対象的だ。

午後1時半から始まった弁論では、元少年の弁護団がそれぞれ立ち上がって実に1時間20分にわたって熱弁をふるった。3年間を費やして新たに元少年を精神鑑定した内容を軸に、弁護団は元少年の死刑判決を破棄するよう求めたのだ。

父親の暴力、自殺した母への思いから生じた歪み、未熟な精神発達……等々、多くの事実を指摘しながら原判決の不当性を訴える弁護団と、それにじっと聞き入る本村さん。いつもながら、息を呑むような緊張感が伝わってきた。

安田好弘・主任弁護人は16日(月)に元少年と接見した際のようすや、20日(金)に届いた元少年の陳述書の中身を紹介しながら、1審で元少年が殺意などを全面的に認めた理由について述べた。

「自分は強姦より屍姦が遥かに悪いことだと思っていた。だから、強姦を認めてしまった」「少年事件なので死刑はないと思っていた。でも、検察に死刑を求刑されて恐ろしくなった。死刑を免れるために(検察の)主張を認めて謝ろうと思った」と、元少年が述べたことを明らかにしたのだ。

1、2審での供述より現在の供述こそ「真実である」ことを弁護団は主張し、陳述書として最高裁に提出した。弁護団が言う“新供述”の信憑性を滔々と訴えたのである。

午後3時半、検察側の弁論も終わり、第二次上告審は結審した。閉廷後、本村さんやご両親たちと東京駅の喫茶店に入り、いろいろな話をした。ご遺族は忙しい中、日帰りで東京まで傍聴に来られていたのである。

拙著『なぜ君は絶望と闘えたのか』の取材では、言葉に表わせぬほどお世話になった方々である。事件からやがて13年。長い長い裁判にもうすぐ決着がつく。どんな判決が出ても、これだけの紆余曲折の末に辿り着いた結論には、誰にも否定できない重さがあることを私は信じている。

カテゴリ: 事件, 司法