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“レッテル選挙”の最終勝利者は誰か

2012.12.04

本日、いよいよ衆院選が公示され、小選挙区(300)、比例(180)あわせて480議席を1504人の候補者が競うことになった。

私は、小選挙区制度下の衆院選を秘かに「レッテル選挙」と呼んでいる。どの党、どの勢力が、争点を「レッテル化」できるかに“勝敗”がかかっている面が強いからだ。

前々回の2005年小泉郵政選挙では、「郵政民営化」への是非が問われ、前回2009年には、「政権交代」への是非が問われたことを国民は覚えているだろう。

争点はほかにもあったが、「郵政民営化」、あるいは「政権交代」というレッテルを貼ることに成功した側が選挙に勝利したのである。

これは、争点を「類型化」、あるいは「簡潔化」して、より単純な思考に有権者を追い込んだ側が「勝つ」という意味である。私は、このやり方に首を傾げている一人だが、それは有権者の側の問題なので仕方がない面もある。

たとえば今回、大きな争点となっているのが原発問題だ。脱原発、卒原発、原発容認……など、各政党がそれぞれの立場を鮮明にしているが、では、演説の中に原発ゼロによる“プラス面”と“マイナス面”をきちんと説明している党首はどれだけいるだろうか。

私は、あの事故のノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)を上梓したばかりなので、今日の各党首の第一声に「原発問題」が大きく取り上げられることに注目していた。

しかし、発言を分析してみると、有権者に原発のプラス、マイナス両面をきちんと提示できていた党首はいなかった。それどころか、そもそも原発事故の真相がどんなものだったのか、そのことを彼らは知っているのだろうか、と思った。

原発問題とは、単なる感情問題ではない。国民の生命にかかわる問題であり、環境問題でもあり、さらには電力値上げによる産業空洞化への懸念、あるいは安全保障上の問題など、さまざまなことを「包括」している国家の大問題だ。

だが、原発ゼロ、官僚政治打破を訴え、福島県の飯館村で遊説をスタートさせた日本未来の党の嘉田由紀子代表を筆頭に、それぞれがどれほど問題の本質を訴えかけることができていただろうか。

原発をゼロにしたら自分たちの生活や経済にどんな影響が出るのか、しかし、それでも今、ゼロにしなければ将来にどんな大きな禍根を残すのか。それを比較しながら、有権者に具体的に訴えかけがなければならないはずである。

しかし、それを説明するのではなく、ただ「脱」だの「卒」だの「容認」だの、これをスローガンにして「類型化」、あるいは「簡潔化」して国民にただ訴えているとしたら、これほど国民をバカにした話はない。

原発に賛成か反対か、そこだけに今回の選挙を“レッテル化”できれば、おそらく「脱」なり「卒」なりを主張している側が勝利するだろう。

つまり、のちに今回の選挙が「脱原発選挙だった」と言われるようなものにできるならば、小沢一郎氏も「潜んでいる」日本未来の党などが勝利するということである。

“小泉チルドレン”の次は “小沢ガールズ”を大量に国会へ送り込んだ日本の有権者は、今回、果たしてどんな議員たちを誕生させるのだろうか。それは、レッテル化に弱い日本の有権者のレベルを問うものでもある。これからの12日間の選挙戦に注目したい。

カテゴリ: 政治

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