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大学野球のメッカ「神宮球場」にて

2013.05.27

昨日は、神宮球場に大詰めを迎えた東京六大学を観に行ってきた。第一試合は立教大学対東京大学、第二試合は、優勝がかかった法政大学と明治大学の大一番だった。

私の高校(土佐高校)の後輩でもある浜田一志氏が監督を務める東京大学は、このシーズンで、ついに目標の「1勝」を挙げることができなかった。ネット裏で、東大野球部のOBと一緒に観戦していた私は、この日、0対16という大敗でシーズンが終わった東大野球部に、“勝負の厳しさ”を改めて思い知らされた。

試合後、私を含め、7、8人の記者が浜田監督をベンチ裏で囲んだが、勝つために「多くの課題が見つかった」と、監督はしみじみ語っていた。46連敗でシーズンに突入した東大野球部は、当初「春1勝」を目標に掲げたが、ついに10連敗でシーズンを終えたわけである。

私も何試合か観させてもらったが、投・攻・守すべてにわたって、ほかの5校とは大きな開きがあった。技術やパワーもさることながら、浜田監督が“弱気の虫”と表現していたように、最初から気迫などの精神面でも他校に圧倒されていた。

現在、元巨人の桑田真澄氏も特別コーチとして東大野球部を指導しているだけに、秋のリーグ戦では“夏の猛練習”によって生まれ変わった姿を期待したいと思う。

さて、第2試合の法政大学と明治大学の大一番は、両チームのパワーと技術、そして気迫がぶつかり合い、凄まじい試合となった。法政は勝てば優勝、明治は、優勝するには法政に2連勝しなければならない。

先発した法政の右腕・船本、明治の左腕・山崎は、ともにプロのスカウトが注目する好投手だ。140キロ台後半のキレのあるストレートとブレーキ鋭い変化球をびしびし投げ込み、両チームの鍛えられた守備力もあって、試合は緊迫した。

法政が先制し、明治が逆転し、また法政が追いつくというシーソーゲームの末に、試合は5対5の引き分けで終わった。相譲らない大学球界最高峰の闘いを炎天下のスタンドで堪能させてもらった。

私は、事務所から徒歩で30分ほどの位置にある神宮球場に、徹夜明けのウォーキングでよく行く。野球物のノンフィクションを何冊も上梓している私は、大学野球のメッカ・神宮球場は馴染み深い場所である。

長く学生野球を見つづけている私は、言うまでもなく「東京六大学」と「東都大学」の両方をウォッチしている。一時期、レベルの点で、完全に東都に水をあけられていた六大学は、ここのところ、実力で東都を完全に「抜き返している」ことを感じる。

両リーグの投手力は互角かもしれないが、打撃力は明らかに六大学が勝(まさ)っている。今日の法明戦でもそれは表われていた。六大学の打者が腰の入った豪快なスイングをするのに比べ、東都の野球は小さくまとまり、ボールに「当てにいく」スイングをする選手が目につく。

打者としての迫力が明らかに違うのである。私は、一時期逆転されていた六大学のレベルが東都を上まわってきたのは、“斎藤効果”に起因すると思っている。

6年前、甲子園のスターから早稲田大学の投手となった斎藤佑樹投手(現・日本ハム)は、低迷していた六大学野球を救う立役者となった。当時、観客動員数も最低ラインとなっていた六大学は、斎藤投手の神宮デビューによって「息を吹き返した」のである。

それと共に、六大学を目指す高校の球児たちも増えていった。六大学人気が低空飛行だった頃は、必ずしも有力選手が六大学に集まらず、全国の大学リーグの“レベルの平準化”が進んだ。

しかし、斎藤投手の神宮デビューが東京六大学の注目度を高め、それが結果的に有力球児たちの“六大学志向”に、ふたたび火をつけたのだ。躍動する選手たちの姿が、「斎藤以前」と「以後」では明らかに違ってきており、パワーも六大学の方が東都を上まわってきているように思う。

長い間、観つづけていると、そういう微妙な変化も、なんとなくわかるような気がする。野球に限らず、スポーツの分野は私のノンフィクションの対象でもあるので、これからもウォーキングで神宮球場に通いたいものである。時間の許すかぎり、できるだけ多くの試合を観戦し、躍動する選手(アスリート)たちの姿を追いたいと思う。

カテゴリ: 野球

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