門田隆将オフィシャルサイト | kadotaryusho.com

  • 最新情報
  • プロフィール
  • 著作リスト
  • 講演のご依頼
  • ブログ
(C) KADOTA RYUSHO. ALL RIGHTS RESERVED.
BLOG | KADOTARYUSHO.COM

ブログ

不正入試で揺れる「中央大学」の不思議

2013.05.28

いつからこんな大学になってしまったんだろう。“石が流れて木の葉が沈む”とは、まさにこのことではないだろうか。

私の母校でもある中央大学のことが今朝の産経新聞に報じられていた。昨年明らかになった中央大学横浜山手中学校(現・中央大学付属横浜中学校)の不正入試問題に絡んだニュースだ。それによれば、中大の福原紀彦総長兼学長が「総長職を辞任する意向」なのだそうだ。

記事を読んで驚いた。不正入試は昨年2月に起こったものである。当時の久野修慈・中大理事長(解任)が大学の有力OBの孫である受験生の「名前」と「受験番号」を同中学校校長(辞任)に伝え、校長は合格ラインを下回っていた受験生を不正に合格させた。

合格後、受験生側は入学手続きを済ませ、他校の受験を取りやめるなどしたが、約1か月後に「合格取り消し」を通知されたというのである。

その合格取り消しを校長に働きかけたのは、福原総長だ。不正合格を知った以上、総長が合格取り消しを働きかけたのは当然だろう。

だが、奇妙なのはそのあとだ。中大に設置された第三者委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)が、この一件を(不正合格した)「児童の人権を深く傷つけた『きわめて重大な人権侵害事件』」と結論づけたという。

つまり、不正に気づき、不正合格者の合格を取り消させた福原総長には『きわめて重大な人権侵害がある』と、指摘したのである。そして、この第三者委員会の報告に沿って、学内でも「合格取り消し処分」に疑問の声が上がり、そのため福原総長が「総長職を辞任する」意向なのだそうだ。

一般の常識から言えば、点数が合格点に達していないことがわかった以上、「合格を取り消す」のは当然だが、中大では、それが、その不正合格者に対する「人権侵害」にあたるのだそうだ。

つまり、「不正入学はたとえ知っても目をつぶれ」ということである。おいおい、“法科の中央”は、いつから不正を奨励するような大学に成り果てたのか、と言いたくなる。

私は、人権侵害というのなら、てっきり合格を取り消しただけでなく、その生徒の氏名でも大学側が公表し、なにかの被害が生じたのかと思ったら、さにあらず。その有力OBの名前さえ明らかになっておらず、完全に当該生徒の人権は守られている。

もし、合格点に達していない不正合格者が入学を取り消されなかったら、この学校を受けて不合格になった生徒たちは、「その受験生が合格なら、点数が足らなかった自分へも合格証を出せ」と裁判に訴えることも可能だろう。

つまり、「人権侵害」を考えるなら、それは、当該生徒“以外”の受験生への「人権侵害」だろう。この中学校を受験して不合格となった受験生たちは、不正な合否判定によって、『きわめて重大な人権侵害』を受けたことになるからだ。

中央大学は、法科大学院(ロースクール)が昨年の司法試験で合格者が唯一、200名を超えてナンバー・ワンとなっている。しかし、“法科の中央”で知られるかつての名門は、もはや内実はどうしようもないレベルに墜ちたようだ。

“石が流れて木の葉が沈む”という事態が進行し、学内のゴタゴタがつづく中央大学。母校が一般の常識も通用しないようなレベルに墜ち、転落していくのを見るのは、やはりつらいものである。

カテゴリ: 教育

最新のエントリー

カテゴリー

アーカイブ