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国会「二重国籍」論議が示したものは何か

2016.10.06

これは、逆に、蓮舫氏に感謝すべきことかもしれない。私は、昨日(5日)、今日(6日)と2日にわたって続いた自民党の有村治子議員の「二重国籍」に関する国会質問を見ながら、そう思った。

民進党の蓮舫氏が「二重国籍」を隠したまま、三度も参議院議員に当選し、行政刷新担当大臣という閣僚にも就いていた事実は、国会に大きな波紋を広げた。なぜなら、その二重国籍騒動の中で、蓮舫氏の過去の発言が次々と明らかになり、結果的に、民進党代表選のさなかでの発言が虚偽であったことが白日の下に晒されたからだ。

朝日新聞紙上で発言していた「(日本の)赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」(1992年6月25日付夕刊)、「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」(1997年3月16日付夕刊)、週刊現代誌上での「そうです。父は台湾で、私は二重国籍なんです」(1993年2月6日号)、あるいは、文藝春秋「CREA」誌上での「だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました」(1997年2月号)…等々、かつて蓮舫氏は、二重国籍を隠すことなく、堂々とこれを表明していた。

日本より、むしろ「父の生まれた国」への熱い思いを滔々と語っていた蓮舫氏が、民進党代表選の過程で、元通産官僚の八幡和郎氏(現・徳島文理大大学院教授)の指摘でこの問題が浮上するや、発言が二転三転し、ついには、代表選の途中で「台湾籍離脱の手続き」をせざるを得ないところまで追い込まれたのは周知の通りだ。

代表選の対抗馬だった前原誠司氏にも「ウソは言うのはよくない」と窘(たしな)められたほどの蓮舫氏が、それでも代表に当選するあたりが、民進党という政党の限界を表わしているだろう。

しかし、ここで重要なのは、国益が衝突する外交や国防の最前線で、果たして蓮舫氏のように、「父の母国」に強い思いを持つ二重国籍者に、日本の自衛隊の最高指揮官であり、外交の責任者たる「総理」になる資格が果たしてあるのだろうか、という根本問題である。

外交や防衛の最前線では、言うまでもなく、ぎりぎりの判断が求められる。日本の国益を代表してその任に当たる人物が、「(日本の)赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」という人物があたることに疑問を持たない人はいるのだろうか。

日本では、国籍選択は国籍法第14条によって規定されており、「二重国籍」は認められていない。また、外務公務員法には「外務公務員の欠格事由」という項目があり、二重国籍は厳しく戒められている。それにもかかわらず、前述のように日本の自衛隊の最高指揮官であり、外交の責任者たる「総理」に二重国籍者が「就く資格」が果たしてあるのか、ということである。

本日の参議院予算委員会で有村治子氏は、外交官以外にも、総理補佐官や外務大臣、自衛隊員、要人警護のSPなど、国家機密に近い、あるいは、これを知る立場に就く人が二重国籍者であってもいいのか、という問題意識をもとに質問をおこなった。

現行法制度のもとで二重国籍状態にある人物が閣僚など「政府の要職」に就く可能性が排除されないことに関して、安倍首相は、「国家機密や外交交渉にかかわる人々であり、適切な人物を選ぶよう運営してきた」と説明し、「問題点として存在する。われわれもしっかり研究したい」と答弁するにとどめた。

外務公務員法にのみ、明確な「二重国籍」の禁止条項があるという歪(いびつ)な法体系を炙り出すことになった今回の二重国籍騒動。民進党には、コスモポリタニズムを信奉し、世界市民(地球市民)を志向する人が多いのかもしれない。

しかし、民進党が、国益がぶつかり合う国際社会の舵(かじ)取りを任せられる政党ではないことが、有村氏の国会質疑で浮かび上がったことは間違いないだろう。

カテゴリ: 政治

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