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それでも「石破支援」朝日新聞の“怪”

2018.08.28

安倍首相が鹿児島で正式に自民党総裁選への出馬を表明し、石破茂・元幹事長との事実上の一騎打ちが決まった。大勢はすでに定まっているが、私には、マスコミ報道が興味深い。

すでに自民党の国会議員票(405票)の約80%を押さえ、地方票(405票)でも優位に立つ安倍陣営に対して、マスコミは悔しくて仕方がない。両陣営に対して公平に報道しているのは、読売新聞と産経新聞、フジテレビぐらいで、ほかはモリカケ騒動の時と同じく、石破氏に好意的な一方的な報道がつづいている。

昨日(8月27日付)の朝日新聞にも、〈自民党総裁選 首相 論戦から逃げるな〉と題された以下のような社説が掲げられたのでご紹介したい。

〈通常国会の閉会から1カ月。告示まで10日余りというタイミングで、ようやく安倍首相が自民党総裁選への立候補を表明した。ただし、5年8カ月に及ぶ政権運営をどう総括し、新たな3年の任期にどう臨むのか、具体的な政策の発表は先送りされた。拍子抜けである。
 半月前に意思表示した石破茂・元幹事長は、その後、憲法、地方創生など、テーマごとに長時間の記者会見を開くなど、発信を強めている。これに対し、首相側の消極姿勢が際立っている。石破氏との論戦を避けるため、出馬表明をギリギリまで遅らせたとの見方もあるほどだ〉

 朝日は、冒頭から安倍首相が「石破氏との論戦から逃げている」と糾弾した上で、お得意のモリカケに話を展開していく。

〈内政・外交とも論じるべきテーマは多岐にわたるが、首相が引き続き政権を担おうというのであれば、政治や行政への信頼を失墜させた森友・加計学園の問題に、正面から向き合うことが大前提である。
 朝日新聞が今月初めに行った世論調査では、首相は国会で説明責任を果たしていないとの答えが77%にのぼった。党内の多数派工作に成功して、総裁選を乗り切ったとしても、国民の不信が澱(おり)のように残ったままでは、来年夏の参院選などで厳しいしっぺ返しがありうると覚悟すべきだ〉

当ブログで何度も書いてきたように、モリカケ問題の本質とは、「安倍首相が籠池泰典氏のために国有地を8億2千万円も値下げさせて売却した」というのが本当か否か、そして、「加計孝太郎氏のために国家戦略特区をつくって、行政を歪めて獣医学部をつくらせた」ということが真実か否か、というものである。

膨大な国費と時間を使って、延々と野党は国会で印象操作をくり返したが、上記の“疑惑”とやらは、何も証明されなかった。

逆に、財務省の改ざん前公文書によって、鴻池祥肇氏、鳩山邦夫氏、平沼赳夫氏といった政治家たちに近畿財務局への「働きかけ」をおこなってもらっていたことはわかったが、安倍首相の関与は出てこなかった。しかし、自分たちに都合の悪い、そういう情報は彼らは一切、報じなかった。朝日は社説をこう続ける。

〈今のところ首相の視線は、憲法改正の争点化に向いているようだ。今月中旬の講演では「党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう、取りまとめを加速すべきだ」と強調した。ただ、首相は最近まで、改憲は「スケジュールありきではない」と語っていた。安倍1強政治の下で均衡を失った立法府と行政府の関係など、憲法が定める国の統治の仕組みを立て直すことこそが先決だ。石破氏は政策テーマごとの討論会を提案している。論戦を実のあるものにすべく、ぜひ実現してほしい〉

そして、必死に支援する石破氏へも、こんな注文がなされている。

〈一方、気になるのが、石破氏が最近になって、立候補表明時に掲げたキャッチフレーズ「正直、公正」を今後使わない考えを示したことだ。「首相への個人攻撃」という党内の反発に配慮したのだろう。
 首相の政治姿勢に対する批判を、個人攻撃として排除しようとする側に問題があるが、政権の問題点を指摘できないようでは、総裁選に名乗りをあげた意味がない。石破氏にはひるまず首相に論戦を挑んでほしい〉

私は、「へえ~」と思わず声を上げてしまった。ここまで朝日新聞に応援してもらう石破氏の真実の姿をどうしても思い出してしまうのだ。

モリカケ問題でも、石破氏は安倍首相の足を引っ張り続けた。朝日に持ち上げられ、石破氏は、反安倍キャンペーンを続けるメディアの寵児(ちょうじ)だった。だが、いくら追及されても、何も出てこない安倍首相に比べ、石破氏は致命的ともいえる「関与の証拠」を残している。

獣医学部の新設に対して、安倍内閣の地方創生大臣だった石破氏は、「誰がどのような形でも現実的には参入は困難という文言にした」と、いわゆる“石破4条件”について自分の同期当選の仲間だった北村直人・日本獣医師政治連盟委員長に語ったことが、当の日本獣医師会の「平成27年度第4回理事会」の会議報告で明らかにされている。

つまり、石破氏は、盟友の北村氏に、そんな獣医師会を支援する言葉を記録され、公開文書にされているのである。ちなみにその石破氏の自民党鳥取県第一選挙区支部には、2012年度に日本獣医師政治連盟から「100万円」の政治献金がなされていた。

「おい、あいつは自分がやっていることがわかっているのか」――そんな声が自民党内に満ちてることを石破氏はご存じなのだろうか。

1993年に自民党が下野した時、さっさと見切りをつけて自民党を離党し、新進党などを経て舞い戻ってきた石破氏には、常に「決して自ら汗をかかず、いつもマスコミ相手にパフォーマンスばかりやり、仮に引き立ててもらっても、平気でそれを裏切る男」という評価がつきまとう。

第1次安倍政権が行き詰まった時、真っ先に「退陣せねば自民党が終わる」と激しく糾弾した石破氏。第2次安倍政権では、安倍首相から2年間も幹事長を任されたのに、安全保障法案の政治決戦の際、防衛大臣兼安全保障担当大臣という重要ポストへの就任を要請されたが、石破氏はこれを拒絶した。

私は、自民党の議員たちが、「肝心な時に人を裏切り、反自民のメディアに乗ってパフォーマンスをくり返してきた男」と切り捨てるのも、さもありなんと思う。

生きざまそのものが問われる政治家として、石破氏は今回の総裁選ほど、これまでの歩みに対する「評価」が身に染みる秋(とき)はないだろう。

それと同時に、憲法改正案の中で9条2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する“穏健案”の安倍首相と、2項削除を主張し、国際平和のために集団的自衛権を行使できるようにするという“強硬案”の石破氏――自衛隊が「国際平和」のために海外で集団的自衛権を行使できるようになることは、本来、朝日新聞にとっては「許しがたい主張」のはずである。

しかし、憎っくき安倍首相の敵ならば、日頃の主張などどこかにすっ飛ばしてでも全面支援をおこなう朝日。1か月前の7月29日の社説では、朝日は、安倍首相を「ヒトラー」に譬(たと)えて逆に識者たちから大批判を浴びた。

ユダヤ人虐殺を進めたナチスの宣伝相ゲッペルスや、ユダヤ人を強制収容所に送り込む実務責任者だったナチス親衛隊のアドルフ・アイヒマン元中佐を引き合いに出しながら、自国の総理を「ヒトラー」と糾弾した社説には、私も言葉を失った。

自民党の総裁選投開票まで、3週間あまり。私は、両候補の論議の中身と共に、日本のメディアの劣化ぶりを冷静に観察していきたいと思う。

カテゴリ: 政治

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