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「党」が機能しなくなった安倍政権“政高党低”の惨状

2020.03.31

明日(1日)発売の雑誌『正論』に佐藤正久前外務副大臣と私との対談記事が掲載される。題して「国防意識欠いた感染症対策を正せ」。3月17日におこなった対談だったが、元自衛隊の“ヒゲの隊長”で危機管理の専門家の佐藤氏だけに、さまざまなことを勉強させてもらった。

意見が一致したのは、やはり、いち早く「中国全土からの入国禁止」を採らなかった政策失敗についてだ。未知の感染症が爆発的に広がっている際、その国(ホットゾーン)からの入国を「まずストップさせる」のは基本中の基本だ。

それによって流行のピークを後ろにずらしたり、ピークの山を低く抑えることで医療崩壊を防ぎ、一定の効果がある既存薬の出現を待つのである。国民の命を守るためには必須の対策と言える。

それができなかった理由はさまざま語られている。しかし、3月5日に習近平氏国賓来日が取りやめになった直後に中国からの入国禁止措置が発表されたことからも、中国への忖度・遠慮・恐れがあったことは間違いないだろう。

佐藤氏は自民党本部に1月24日に立ち上げられた「新型コロナウィルス関連肺炎対策本部」でも、当初から「入国禁止」を訴えた議員だ。その理由は、是非対談を読んで頂きたい。

ポイントは安倍政権の構造的問題にある。“安倍一強”とは、難癖をつけるだけで建設的な意見や提言が皆無の野党に対してだけをいう言葉ではない。与党自民党が政策決定にほとんど関われなくなった「政高党低」の状況も指している。

新型コロナウィルス関連肺炎対策本部でも、そして昨日(3月30日)午後3時から開かれた「経済成長戦略本部 新型コロナウィルス関連肺炎対策本部 合同会議」でも、現実的、かつ、やらなければならない政策実現への意見が多数出されている。

最大のものは何といっても消費減税だ。具体的には、「2年の時限法」による「消費税5%への減税」と「現金給付10万円」とのセットでの提案だ。2年と区切るのではなく、インフレ率5%を達成するまでの消費税5%減税という案も出された。

2月の有効求人倍率は1・45倍で2年11カ月ぶりの低水準となり、企業の採用意欲が急低下し、設備投資も減る中で、再び“就職氷河期”がやって来ることが確実視されている。

需要を喚起し、企業を救い、税収をアップさせ、雇用を守るためには、自民党内で主張されたこの案でしか日本は立ち直れないだろう。だがそれでも消費減税は見送られる見込みだ。首相が財務省や、官邸にいる一部の側近補佐官の言うことにしか「耳を傾けない」からである。そこに悪しき「政高党低」の実態がある。

現場の自民党議員たちの意見を取りまとめる岸田文雄政調会長には、大多数が主張する理にかなった政策に耳を傾けるつもりなど毛頭ない。安倍首相からの“禅譲”に期待する岸田氏には、もともと「従順さ」しか取り柄がないからだ。

「政高党低」がいいのか、「党高政低」がいいのかには議論がある。だが、選挙区という「現場」で有権者と直接接している党の議員の意見が全く採用されないのなら、それはその党への支持が「無駄である」ことを示している。

財務省や官邸の一部官僚に踊らされる安倍政権には、武漢肺炎禍の危機を突破できる力はないだろう。安倍政権もまた「平時の政権」であって「危機対応時の政権」にはなり得ない。情けない話である。

カテゴリ: 政治, 訴訟

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