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歴史に裁かれる「中国の人権弾圧」に加担する日本企業

2020.06.30

本日6月30日、全人代常務委員会が「香港国家安全維持法」を全会一致で可決し、即日施行となった。いよいよ香港民主派への弾圧が現実になる。

2015年に中国の国家安全法が可決・即日施行され、8日後には王全璋弁護士ら民主派が一斉逮捕された「709事件」の悪夢を思い出す。しかし、日本は「遺憾表明」だけで、なす術なし。日頃、人権、人権と訴える日本の人権派も「中国が相手」になると何も声がない。

危機に晒される香港の民主派は撤退を決断した。民主派の「香港デモシスト(香港衆志)」は主要メンバーが離脱し、団体自体を解散することを明らかにした。 黄之鋒氏、周庭氏らが離脱手続きをとり、運動から離れるという苦渋の決断をおこなったのである。

周庭氏は、「本日をもって、政治団体デモシストから脱退致します。これは重く、しかし、もう避けることができない決定です。 絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。 生きてさえいれば、希望があります」とツイートした。

本当にこれまでよく頑張ってくれたと思う。昨年の6・16「200万人デモ」をはじめ、アジアの自由と人権と民主主義を守ろうとする彼らの気概には、頭が下がった。香港民主派の踏ん張りは、「歴史に残るもの」だったと言える。心からありがとうと言いたい。

一方で、いくら警鐘を鳴らしても中国市場での儲けを狙って中国で嬉々として活動する日本企業にはどうしても言っておきたいことがある。

それは「あなたたちは、なぜ人権弾圧に加担するのか」ということであり、「やがてあなたたちは日本を滅ぼすだろう」ということだ。

チベット、ウイグル、香港……等々、これほどの人権弾圧を続け、さらには、南シナ海・東シナ海で「力による現状変更」をおこなう中国共産党。その発展のために寄与する日本企業は、結局、自社の利益のためには「どれほど人々が弾圧され、たとえ将来、母国がなくなっても構わない」と思っているのだろう。

私たちはコロナ禍の中で、中国のサプライチェーンが打撃を受けたら、日本の産業がどうなるのかを目の当たりにした。それは、衝撃以外のなにものでもなかった。わかってはいたものの、国民もさすがに「ここまで」中国に依存していたとは考えが及ばなかったのだ。

事態を重く見た安倍晋三首相は3月5日に「未来投資会議」を開催し、一国へのサプライチェーン依存度が高く、同時に付加価値が高いものについては、「国内への生産拠点回帰」を図り、そうでないものについても一国に依存せず、ASEAN諸国などへの「生産拠点の多元化」を図っていくことを宣言した。

いわば産業界への中国からの「撤退指示」である。そして2020年度補正予算に生産拠点の国内回帰を促す補助金として2200億円を組み込んだ。

しかし、この「中国から撤退せよ」という指令は、儲けに目が眩んだ経済界には通じない。ジェトロが4月におこなった中国進出企業への調査では、中国の華東地域日商倶楽部懇談会の会員企業の中で、回答を寄せた710社の約9割がサプライチェーンや拠点の変更を行う計画が「ない」と回答したのだ。

世界一の燃料電池技術を持つトヨタ自動車が、清華大学との共同研究を通じて中国に貢献しているのは知る人ぞ知る。中国は燃料電池の小型化と高性能化を図り、ドローンへの応用を目論んでいる。トヨタはその中国に技術供与を行おうとしているのである。

ドローンの航続距離を大幅に伸ばし、武器として、あるいは偵察用として、軍事的に大きな力を発揮させたい中国と、それに協力するトヨタ。当然、アメリカの議会に設置されている米中経済安全保障委員会は、この事実に注目している。

もし、トヨタがアメリカから制裁を受け、北米市場を失えば、日本の株式暴落は目もあてられないものになるだろう。

私は、香港国家安全維持法が可決、即日施行された今日「6月30日」は歴史の分岐点だと思う。香港民主派の若者たちが涙を呑んで運動から手を引かざるを得なかった日。

それでも中国市場に固執する日本の経営者は、「毒を食らわば皿まで」の精神で突き進めばいい。儲けのためには自由も人権も民主も要らないという精神を最後まで貫けばいいと思う。

やがて、「歴史」が恥を知らない彼ら企業人を裁くだろう。かつての気概ある日本人とはまるで異なる今の日本の企業人に伝えるべき言葉は、もはやない。

カテゴリ: 中国, 経済

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