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激動の2014年で問われる「意識」

2014.01.04

2014年が明けた。このお正月も締切が迫る単行本執筆に明け暮れた。そんな中で、ほっと一息、つかせてもらったのは、いつもの箱根駅伝である。

今年も、年明けに相応しいアスリートたちの激走を見せてもらった。王者・東洋大学が「その1秒を削り出せ」というスローガンの下に、一人一人が「1秒」を縮めていったさまが圧巻だった。

設楽兄弟という大学陸上界を代表する二枚看板を擁しながら、今シーズンは出雲、全日本とも駒澤大学の後塵を拝し、2位。大会前、優勝候補の筆頭は、言うまでもなく駒澤で、東洋はチャレンジャーの立場にあった。

しかし、総合力で引けを取らない東洋がどう巻き返すか、注目を集めていた。その東洋のスローガンが「1秒を削り出せ」だった。

勝つための努力は、どのチームもしている。しかし、土壇場で発揮される底力は、単なるアスリートとしての能力だけでは、はかれない。野球でいえば、“球際(たまぎわ)の強さ”という言葉で形容される勝負強さがそれである。

59秒差で復路に挑んだ駒澤は、9区にエース窪田忍を配していただけに、「逆転」に少なからず自信を持っていただろう。しかし、それを打ち砕いたのが、窪田が登場するまでに差を3分40秒に広げた東洋の6、7、8区の快走だった。

6区・日下佳祐が区間4位の走りで1分17秒まで駒澤との差を広げると、7区・服部弾馬、8区・高久龍の連続区間賞で、どんどん差を広げていったのである。

これで勝負は決した。それぞれが「1秒を削り出す」走りとは、こういうものか、と思わせてくれた。意欲ある強豪校が力を伸ばし、一方で伝統校が闘争心を失い、転落していくのが勝負の世界というものだが、東洋には昇竜の勢いがあった。雪辱を期す駒澤との来年の激突が今から楽しみだ。

私は、勝負の世界の厳しさを毎年、お正月に見せてもらって気持ちを新たにする。2014年は、間違いなく激動の年になるだろう。

前回のブログで書かせてもらった安倍首相の「靖国参拝」は大いに反響があった。この年末年始、あちこちで、私のブログへのご意見をいただいた。

私は、「安政の大獄」以来の国事殉難者およそ250万人を祀った神社に、先人の労苦と努力に思いを馳せ、後世の人間が感謝の気持ちを捧げるのは、当然のことだと思っている。アメリカではアーリントン墓地へ、中国では八宝山革命公墓へ、また韓国では毎年6月6日が「顕忠日」であり、戦没者・殉国者に敬意を払う日となっているのはご承知の通りだ。

無念の思いを呑んで、子孫も残さずに多くの先人が亡くなっていったのは、どの国にもある「歴史的事実」である。日本では、大正生まれの男子は、同世代の7分の1にあたる実に「200万人」が戦死している。それは、どの家族にも辿れば戦没者が「必ずいる」と言われるほどの数だ。しかし、日本では、こうして亡くなっていった先人たちに頭(こうべ)を垂れることすら干渉され、非難されている。

なぜ、どの国でもおこなわれていることが、日本だけ許されないのだろうか。これは、1985(昭和60)年に当時の中曽根康弘首相が掲げた「戦後政治の総決算」を打ち砕くために、同年7月から8月にかけて朝日新聞が靖国参拝反対の大キャンペーンを張り、“禁じ手”である『人民日報』を動かして非難の社説を書かせたことを嚆矢(こうし)とする。

靖国参拝は、朝日新聞のこの“禁じ手”によって国際問題化されたのである。それまで参拝やA級戦犯の合祀について、ひと言もモノ申したことがなかった中国が、85年以降、これを外交カードに使えることを学習し、それに韓国が追随を始めたのが、いわゆる「靖国参拝問題」なのである。

「強制連行」という朝日新聞の誤報から始まった従軍慰安婦問題といい、私は、日本のひとつのメディアによって、ここまで「日本と日本人が貶められていること」に疑問を感じる一人である。このために、日本の若者が現在も、そして将来も、国際舞台で、どのくらい不利益を被(こうむ)るかを考えると、どうしても深い溜息が出てくるのである。

朝日新聞をはじめ中国・韓国と主張を一(いつ)にする日本のメディアは、年末におこなわれた各種の世論調査で、安倍首相の靖国参拝に賛成する人が6割から7割を占めたことに衝撃を受けただろう。

先人を敬い、家族と故郷を愛し、日本と日本人を愛することは自然の感情である。そのことを「いけない」と主張するマスコミや言論人が靖国参拝問題では圧倒的だったが、一般の人々は、まったくその影響を受けなかったことになる。

私は、言論の「根拠」を見極める時代が来た、と思っている。インターネットの普及によって、これまで「情報」と「意見」を独占してきたメディアの欺瞞(ぎまん)が暴かれつつある。その意味で、2014年は間違いなく激動の年である。それぞれが自分自身で独自の見解を「根拠をもって」構築することが、今ほど大切な時はない、と思う。

カテゴリ: スポーツ, 政治

工夫や研究を怠る日本のスポーツ指導者たち

2013.01.30

体罰問題が、ついにナショナルチームにも波及した。昨年のロンドン五輪の女子柔道に出場したトップ選手を含む15人が、強化合宿などで園田隆二監督(39)やコーチによって、暴力やパワハラを受けていたと告発したのである。

もっとも彼女たちが文書で告発していたのは、昨年末のこと。これが今になって明らかになったのは、桜宮高校の体罰事件が社会問題化したのを受けてのことだろう。

それにしても、日本代表クラスになっても、暴力を振るわれながら“指導”を受けていた事実は、日本のスポーツ界の実態をよく表している。

言うまでもなく、技量、精神力ともに際立った人間でなければ、ナショナルチームの一員にはなれない。厳しい精進を積んだ者だけにしか、その地位は与えられない。しかし、それでも選手たちは指導者たちの「暴力」を受けなければならないのである。

報道によれば、平手や竹刀での殴打、暴言、さらには、ケガをしている選手に対して試合出場を強要するなどの行為があったという。長く精進をつづけてきた選手たちが「告発」という手段をとらなければならないほど「思い詰めていたこと」が事態の重さを示している。

そして、同時に判明したのは、園田監督との間に少なくとも“信頼関係”がなくなっていたという事実である。完全に指導者失格である。

しかし、それでも園田監督の処分は、文書による「戒告」だそうだ。大甘の処分というほかない。告発を受けても事態を隠蔽していた全柔連には、「自らを律する」ということがないのである。

昨年、自殺した桜宮高校のバスケット部主将は、「今日もいっぱい殴られた。三十発か四十発……」という言葉を残して、自らの命を絶った。これは、暴力によってしか指導ができない体罰顧問に対する痛烈な抗議の死だったと言える。

その望み通り、当事者たちは最大の打撃を受けた。私は、長く日本のスポーツ界でつづいてきた「暴力で選手を鍛えていく手法」がいかに時代遅れのものであるか、なぜ気がつかないのか、と歯がゆくてならない。

この軍隊式の訓練法は、精神面を鍛えるために有効とされ、日本のスポーツ界では、「あたりまえ」の指導だった。園田監督自身も、そういう中で育ち、自分も指導者になった時、それに陥った。

スポーツの世界は、技術とパワーだけでなく、気迫、精神力、粘り、根性……といったものが勝敗を分ける要素となる。野球で言えば、“球際の強さ”だ。これを身につけさせるために、指導者らは、選手たちを追い込み、鉄拳を振るうのである。

そして、日本のスポーツ界では、それが選手への愛情があれば「許される」という甘えによって温存されてきた。しかし、無抵抗な選手たちを殴ることによってしか“土壇場で発揮する力”を身につけさせられないとしたら、そんなレベルの指導者は、さっさとその世界から去る方がいい。

そんな指導者は、技術的にも日進月歩の発展を遂げている世界のスポーツの中で、後れをとっていることは明らかだからだ。

工夫や研究を怠り、驕りによって旧態依然の方法にしがみつく指導者たちを一掃し、ほかの方法で選手を高い次元に引き上げようと悪戦苦闘する指導者を、選手たちは待ち望んでいる。私たちは、選手たちと共に悩み、歩んでいこうとする、そういう指導者を応援していきたい。

カテゴリ: スポーツ

突風が予感させる「2013年」の波乱

2013.01.03

新年の箱根は、凄まじい風だった。強風というより突風である。1月2日、恒例の箱根駅伝は、最悪のコンディションの中でおこなわれた。

私は、昨年につづいて箱根湯本でランナーに声援を送った。箱根湯本駅では、「大涌谷のロープウエーが強風で運行を中止しています。芦ノ湖の遊覧船も、運行を見合わせています」というアナウンスが流れていた。

駅舎から一歩外に出ると、身体を吹き飛ばしそうな突風が吹いていた。たしかにこれでは、ロープウエーや遊覧船が運行を見合わせるのは無理もない。しかも向かい風だ。ランナーにとって、これ以上の過酷な試合環境はない。

人波の中、湯本駅から小田原方向に向かって1キロほど歩き、これから箱根の山に挑む選手に声援を送った。やがてトップ東洋、2位日体、3位早稲田をはじめ、次々と目の前をランナーが通過していった。

どの選手も、強風の中、山に挑むことへの不安と気負いを感じさせる表情だった。結果は、3年生ながら名門・日体大のキャプテンを務める服部翔大君が亡き父親との約束を果たす区間1位の力走を見せ、往路優勝を飾った。

悲劇は、伝統校・中大と新鋭・城西大を襲った。いずれも箱根山中で低体温症による脱水症状を起こして棄権。特に最多出場と最多優勝、最多の6連覇など、箱根駅伝の記録を独占している感がある名門・中央大学の4年・野脇勇志君が、ゴールまでわずか1・7キロ地点で意識を失い、中大史上初めて襷(たすき)が途切れるという悲劇に見舞われた。

勝負の過酷さを余すところなく伝えるシーンだった。本日、復路がおこなわれ、日体大が往路優勝の余勢をかって独走。実に30年ぶり、しかもシード権なしの予選出場校として、史上2校目の総合優勝という快挙を成し遂げた。

勝負の世界は、容赦がない。昨年、シード落ちとなった日体大が栄光を勝ち取り、最多優勝の伝統校・中大が初めての棄権という屈辱を味わう。強風の中、演じられたドラマは、波乱の2013年を予感させるかのようだ。

昨年12月の安倍政権発足からつづく円安ドル高の局面は、年明け後も変わらない。財政赤字に悩むアメリカにとっては、由々しき事態である。日米離間を狙う中国にとっては、興味深い事態だろう。さて、一体どんな1年になるのだろうか。今年もよろしくお願いします。

カテゴリ: スポーツ

凄まじい人気の「箱根駅伝」

2012.01.03

昨日は、箱根で久しぶりの休養をとらせてもらった。家族で一泊旅行だ。わが家はスポーツが大好きなので、箱根駅伝の応援も兼ねて行った。

小田原まで行ったら、箱根湯本行きの箱根登山鉄道が1時間待ちという大混雑。仕方なく小田原市内で、タスキを受け取ったばかりの東洋大学の柏原竜二選手をはじめ、各大学の往路5区の選手に声援を送った。

私と二人の息子は大学が違うので、当然、贔屓(ひいき)チームは違うが、女房は昔から私の母校(中大)を応援しているので、一緒に声を枯らした。しかし、最多優勝(14回)を誇り、かつて前人未到の6年連続優勝を果たしたこともある母校も、最近は見るかげもない。

昨年の早稲田の優勝で、今年も優勝候補の早稲田が連覇すれば、ついに「最多優勝」に並ばれるところだった。東洋大学のぶっちぎりの優勝でそれはなかったものの、母校の凋落ぶりには少々寂しくなった。

今日の母校の復路は、6区・代田(しろた)修平君と最終10区・塩谷潤一君の踏ん張りで、なんとかシード権だけは獲得した。浦田春生監督の熱心な指導にもかかわらず「結果」が出てこないのは、やはり優秀な選手を集めることができず、選手層がどうしても薄いからである。

3位に食い込んだ明治大学の躍進を見ても、大学の勢いが違ってきていることを感じる。伝統に安住していては、努力と意欲のあるところに追い落とされていくのは必然だ。

GDPでついに中国に追い越された日本が、経済回復の道筋もつかず、逆に国債暴落の危機に瀕しているのも、似たようなものかもしれない。

それにしても、箱根駅伝の人気は凄まじかった。どこに行っても、必死で選手に声援をおくる人で一杯だった。今朝も、箱根湯本や塔の沢は、応援の人々で溢れ返っていた。

かつては、大学ラグビーの人気もすごかったが、今はその勢いはない。栄枯盛衰は世の習いとはいえ、さまざまなものが“明暗”を分ける時代が来ている。

すでに少子化時代に突入している日本。箱根駅伝を走った大学の中で、生き残れる大学がどのくらいあるのだろうかと、ふとそんなことを箱根路で考えた。

カテゴリ: スポーツ

黒潮に挑む若者の勇気と気迫

2011.09.18

東日本大震災への台湾からの「世界一の義援金」に対して、日本のスイマーたち6人が与那国島から台湾の蘇澳まで泳ぎ、その感謝の気持ちを伝えようとしている。彼らには東北3県の知事のメッセージも託されている。

参加した6人の中には、福島県相馬市出身のスイマーもいる。流れの激しい黒潮を横断する勇気と体力、150キロもの距離、サメの恐怖、さらには、台風による高波……。

さまざまな障害と闘わなければならない無謀なまでのチャレンジは、「日台黒潮遠泳チャレンジ2011」と名づけられた。大手マスコミの報道によって、広く両国の国民に知らされたこのイベントが、明日朝10時に台湾の蘇澳で決着する。

私はそれを見届けるために台湾に来ている。ほかにも、今年12月発売予定の「太平洋戦争 最後の証言」の 第2部「陸軍玉砕編」の取材が台湾の竹南という地であり、急遽、飛んで来たのだ。

無謀であろうと何であろうと、感謝の気持ちを伝えようとする若者の気持ちが素晴らしい。明日、このチャレンジをおこなった若者たちに取材し、あさっては、昭和20年のマニラ市街戦に投入され、九死に一生を得て生き残った台湾生まれの元兵士に取材する予定だ。

「太平洋戦争 最後の証言」の取材も、いよいよ佳境に入っている。若者たちの勇気と気迫に負けてはいられない。

カテゴリ: スポーツ, 台湾, 歴史

いよいよ日本列島の8月

2011.08.01

山口、広島の出張を終えて、夜遅く、東京へ帰ってきた。おかげでどうしても観なければならなかった西東京、東東京の高校野球決勝戦を見逃してしまった。ビデオに録っているので、これからじっくり観させてもらおうと思う。

西東京は日大三と早実、東東京は帝京と関東一の激突という注目の一戦となった。いずれも甲子園に出れば、優勝候補となる強豪校同士の対決だった。

結局、吉永健太朗を擁する日大三と、伊藤拓郎を擁する帝京が東京を制した。2人ともプロのスカウトが二重マルをつける本格派投手だ。両チームとも投打のバランスが抜群にいいだけに、甲子園では深紅の大優勝旗に絡む活躍を見せるだろう。

今日、全国最後の代表校となったのは、大阪の東大阪大柏原である。強豪の大阪桐蔭を終盤の粘りでひっくり返し、9回サヨナラ勝ち。先行する大阪桐蔭を、7、8、9回で5点を挙げて7対6と逆転した底力は脅威だ。春夏を通じて初めての甲子園だが、激戦の大阪を制した実力だけに、これまた甲子園で台風の目となるだろう。

本日、私は広島の呉で戦艦大和の設計を担当した91歳の元設計者を取材させてもらった。さまざまな秘話を伺い、改めて大和建造の意味を知った。

その直前には、大和ミュージアムにも寄り、前著『蒼海に消ゆ』でお世話になった元零戦パイロットの大之木英雄氏、あるいは大和ミュージアム艦長の戸髙一成氏とお会いし、さまざまな話を聞かせていただいた。

呉海軍工廠は、数々の戦艦を生み出した伝統の海軍工廠だ。私は呉を訪れるたびに、目の前で70年以上前の歴史が息づき、新たに何かを語りかけられているような気がする。これらの取材の成果は、また単行本として世に問わせていただきたく思う。

今日から8月。うだるような暑さは、日本列島どこも変わらない。ただし、戻ってきた東京の不快な“都市熱”だけは、どこにもないものだ。明後日締切の週刊誌原稿を抱えているので、喘ぐようなこの暑さの中で、もうひと踏ん張りである。

カテゴリ: スポーツ, 歴史

早稲田の強さだけが目立った

2011.01.04

今日から仕事始めである。まだ休暇中の会社も少なくないが、早くも今朝から通勤ラッシュが始まった。全国各地の大雪に対して、東京は例年以上に晴天に恵まれ、穏やかなお正月だった。

箱根駅伝やラグビーの大学選手権など、恒例の正月のスポーツ行事で圧倒的な力を発揮したのは、早稲田大学である。

箱根駅伝では、総合タイムが11時間を切るという史上最速の優勝で、山登りの神様・柏原竜二を擁した東洋大学を復路で振り切った。大会前から「陣容では早稲田がダントツ」との評判通り、出雲・全日本・箱根と大学3冠を見事に達成したのだ。

早稲田は、箱根駅伝で今年から黄金時代を築くだろう。層の厚さと個々人の持つタイムを見る限り、来年は今年以上の圧倒的な力を発揮するに違いない。

陸上は選手個々の持ちタイムで、大方の予想がつくスポーツである。今回、箱根駅伝で13回目の優勝を飾り、来年は中大が持つ最多優勝記録14回に挑む早稲田は、これからの数年で一気に優勝回数を積み上げてくるに違いない。

時折、予想を超えた番狂わせが起こるところがこのスポーツの持つ魅力であり、醍醐味なのだが、駅伝ファンはしばらくは早稲田の強さを堪能することになるだろう。

ラグビー大学選手権準決勝でも圧倒的な力の差を見せつけて明治を下した早稲田は、こちらも「優勝」が有力視されている。スタート当初は“所沢大学”とも称された「スポーツ科学部」の存在と、大学全体がアト押しする人材集めの熱心さが、ここへ来て他大学を「圧してきている」のである。

伝統の野球部は、今年、斎藤佑樹、大石達也、福井優也というドラフト1位トリオを生み、同一チームの投手陣としては“史上初の快挙”を成し遂げた。いずれにしても人材補強におくれをとる他大学の体育会を尻目に、大学スポーツ界の中心が「早稲田大学」となりつつあることは間違いない。

手を拱いて早稲田時代をただ見ているのか、それとも打倒早稲田にどこかが名乗りを挙げるのか。他大学の奮起に注目だ。

カテゴリ: スポーツ

「あの一瞬」 アスリートはなぜ“奇跡”を起こすのか

2010.07.18

新潮社から『あの一瞬 アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか』が発売になった。2009年4月から「新潮45」に1年間連載したスポーツドキュメント「あの一瞬」に大幅に加筆し、2部構成として生まれ変わらせたノンフィクションだ。

◎第1部 「オリンピックという魔物」
第1章 最強ランナー「瀬古利彦」はなぜ破れたのか
第2章 女子ソフト「悲願の金」をもたらした女の輪廻
第3章 極限の緊張を凌駕した「加藤沢男」の大逆転劇
第4章 山下泰裕を揺るがせた「遠藤純男」の執念
第5章 サッカー日本代表はなぜ「銅」を獲得できたのか

◎第2部 アスリートの原風景
第6章 「ファイティング原田」が演じた世紀の番狂わせ
第7章 日米野球の因縁と「怪物スタルヒン」の涙
第8章 「新日鉄釜石vs同志社」史上最強激突の意地
第9章 大鵬・柏戸「昭和最高の決戦」秘話
第10章 明徳義塾ナインが「松井五敬遠」で見た風景

1年間、連載を続けたものをもとにしているだけに無事、上梓できた喜びは格別だ。サッカー、ボクシング、柔道、野球、マラソン、ラグビーなど、さまざまな競技から歴史に残る名勝負をピックアップし、勝敗を分けた「一瞬」に至るまでのアスリートの心の軌跡に迫った。

第1章の瀬古さんをはじめ、挫折から這い上がる人間の壮絶なるドラマは必ず生きる勇気を湧き立たせてくれると思う。

折しも梅雨明け宣言を待っていたかのように全国で高校野球の予選が開幕した。いよいよスポーツ本番。今年も暑い夏がやって来た。

アスリートはなぜ「奇跡」を起こすのか

2010.06.23

今日は、青山のフランス料理屋で昨年4月から今年4月まで1年にわたって「新潮45」に連載した「スポーツドキュメント あの一瞬」の打ち上げをマラソンの瀬古利彦さんと柔道の山下泰裕さんにしてもらった。

モスクワ五輪がボイコットされた時、「柔道の山下、マラソンの瀬古」両氏は世界に君臨した“王者”だった。ボイコットがなければ、高い確率で二人は、モスクワの空に日の丸を高く掲げただろう。

ボイコットから30年以上が過ぎ去ったが、あの時の悔しさは、私にも忘れられない。モスクワに賭けたお二人にとっては、人生を左右する大きな出来事だった。

「あの一瞬」は7月に単行本となって新潮社から発売される。アスリートたちの心の葛藤と、気迫と闘志の物語である。これまでになかったスポーツノンフィクションに挑戦したつもりである。

二人の絶えることのない前向きな話に、時間が経つのを忘れてしまった。「あの一瞬 アスリートはなぜ奇跡を起こすのか」――スポーツファンだけでなく、全ノンフィクションファンに手にとってもらえれば、と思う。


「歳月の重さ」とは

2010.02.14

単行本原稿を終えると、気分がすっきりして、今週は久しぶりにゆったりした感じがする。金曜日には某誌の対談で、作家の麻生幾氏と久しぶりに顔を合わせた。司会はジャーナリストの黒井文太郎氏である。

原稿に追われていると、どうしても慌ただしすぎて「過去」を振り返る余裕がなくなる。だが今回、麻生氏や黒井氏と15年前のオウム事件を振り返り、国松長官狙撃事件などの未解明事件を語り合う内、なぜか新鮮な気分が湧き起こってきた。

お互いが持っていた当時の情報を突き合わせると、15年も前の事件とはとても思えない臨場感を感じた。当時は見えなかった事実が時間の経過と共に現われているせいもあるだろう。15年といえば「時効」の年月である。国松長官狙撃事件もいよいよ時効か思うと、お互い感慨もひとしおだった。

週刊文春のスター記者だった麻生さんと、週刊新潮でデスクをやっていた私とは、情報面ではライバル関係にあったが、組織を越えていろいろな面で麻生さんに助けてもらったものだ。

15年の歳月によって、二人とも組織から無事、独立を果たした。まだ元気があった頃の雑誌媒体の話も楽しかった。

開幕したバンクーバー五輪でも歳月というのは重いものと感じる。「4大会連続出場」とか「5大会連続出場」の選手の声を聞くと、それだけで「がんばれ!」と叫びたくなる。

なにしろ「5大会連続出場」といえば、スタートはオウム事件の前年(1994年)のリレハンメル五輪である。この長い年月、トップアスリートして自己の肉体をいじめ抜いた精神力を思うと、ただただ拍手を送りたくなる。

今日も、「4大会連続出場」のモーグルの上村愛子選手が、見事「4位」に食い込んだ。あと一歩、銅メダルには及ばなかったが、この「4位」にこそ、価値がある。

7位、6位、5位、4位と、4大会で「1位づつ」順位を上げていき、それでもメダルに届かなかったからこそ、上村の戦いには価値があるのだ。

メダルに対してここまで限りない、そして純粋に執念を燃やしつづけたアスリートとして、上村は日本のスポーツ界に記憶と名前を両方とどめたと言える。

それは、実際に銅メダルを取ることよりも素晴らしいのではないか。4位という成績によって、よりそれが際立ったと思う。今日は、上村選手の涙に日本中が感動をもらった。次は、「5大会連続出場」の岡崎朋美選手の番だ。オウム事件よりも前からオリンピックに出つづけている選手である。

思い残すことなく、爽やかに滑り切って欲しい。岡崎、がんばれ!

カテゴリ: スポーツ, 随感

もはや“常識”は通用しない

2010.01.02

正月2日は、箱根駅伝とラグビーの日である。東京では、これが同時に楽しめる。箱根駅伝では昨年、スーパー1年生として箱根の山登りで驚異的な記録を樹立した東洋大学の柏原竜二選手が、今年も快走した。

昨年の記録を10秒縮める走りで先行する6人を一気に抜き去り、東洋大学に逆転の往路優勝をもたらしたのだ。同じ距離を走った区間2位の選手に4分以上の大差をつける圧倒的な走りだった。これほど“山登り”に強い選手は2度と出て来ないのではないか、と思うほどの実力だ。

優勝候補に数えられていた早稲田大学は4区、5区が伸びず、7位に沈んだ。実力ランナーを揃えても、いざ本番で力を発揮できるかどうかは精神力をはじめ、違う要素が顔を出してくる。すべてを克服できたチームだけが「最後に笑う」ことができる。勝負とは過酷なものだとつくづく思う。

かつては箱根駅伝で上位に食い込むことなど想像もできなかった東洋大学が優勝する時代である。これまでの伝統に胡坐をかくチームが勝利を手にすることはとてもできなくなった。

今日、私は国立競技場に大学ラグビー選手権準決勝(慶應大学vs東海大学、明治大学vs帝京大学)を観にいったが、この2試合を観ても、そのことを感じた。

対抗戦グループの伝統校、慶應大学と明治大学は、それぞれ東海大学と帝京大学に敗れ、決勝進出はならなかった。

名前だけを聞けば、ラグビーのオールドファンなら「まさか」という結果だろう。だが、グランドで観ていると、かつての伝統校が「歯が立たない」ぐらいの実力差が生じていたのは事実である。

“新興勢力”は伝統校の壁を打ち破るために、よりひたむきな精進を要求される。そもそも伝統校の方に優秀な人材が流れるから、伝統校の壁を破るには彼らの何倍も努力をしなければならないのだ。

今日、国立競技場で伝統校に挑戦した2校には、そのひたむきさがあった。これはラグビーに限ったことではない。いま日本はさまざまな分野で“変革の時代”を迎えている。

一例を挙げるならば、「官僚統制国家・ニッポン」も否応なく変革を迫られている。自分たちの利益だけを追求して世界に類を見ない天下り天国をつくりあげた日本の官僚たちも、これまでのような好き勝手放題の時代ではなくなりつつあることを感じているだろう。

これまで日本で“常識”とされていたことが段々、そうではなくなってきたのである。東海大学と帝京大学が大学ラグビー日本一をかけて戦うこと自体がその“変革の時代”を象徴するものでもある。

私自身も、常識にとらわれず、新たな視点でいい作品を書いていきたいと思わされた1日だった。

カテゴリ: スポーツ, 随感

東京はやっぱり温かい

2009.03.26

4日間滞在した旭川から、最終便のJALで帰京。やはり夜でも東京は温かい。旭川に比べれば、天国です。

今日は、終戦時、樺太の真岡にいた現在82歳の方にお会いしました。無条件降伏した日本に対して、終戦後、ソ連がどんなことをおこなったか、生々しい証言をいただきました。
「終戦後」に戦争を始めたソ連軍とこれに抵抗する日本軍守備隊、そして焼き払われた真岡の町に転がっていた焼け焦げた遺体など、実際にそこにいた体験者の証言はリアルで、その惨状を余すところなく私に伝えてくれました。

また、それと前後して、スタルヒンの同級生だった現在90歳の老人にもお話を伺い、スタルヒンの少年時代の秘話を聞くことができました。
3月下旬だというのに4日前は“吹雪”で歓迎してくれた旭川でしたが、最終日の今日は穏やかで快晴の1日でした。それにしても旭川は親切な方ばかりで、4日間とはいえ、有意義な取材・撮影旅行となりました。本当にありがとうございました。

選抜(甲子園)では、秋季大会の各地区の優勝校である慶応、西条、光星学院、鵡川、国士舘、天理などが次々と姿を消す波乱が続いています。今日、早実が近畿大会優勝校の天理とがっぷり四つに組み、その末に「サヨナラ勝ち」したのが印象に残りました。
拙著「ハンカチ王子と老エース」(講談社)の取材でお世話になった早実関係者の歓喜の顔が目に浮かびます。特に今年95歳となった“老エース”島津雅男さんの感激はひとしおでしょう。今なお早実野球部OB会の名誉会長を務める島津さん、足が少し弱ったほかは元気溌剌。この甲子園勝利の重さを誰よりも知っているだけに、今日は美味しい酒をお飲みになっているのでは……?

ところで、昨日も書いたように、小沢一郎代表の居座りは、民主党にとって致命傷です。
今日発売の「WiLL」5月号に産経新聞政治部の阿比留瑠比記者が「平気で嘘をつく小沢全語録」と題して、これまでの小沢代表の語録を紹介しています。小沢氏の過去の言動に触れて「こんな恐ろしい人が次期総理と言われていたのか」と、改めて背筋を寒くしているのは私だけでしょうか。

カテゴリ: スポーツ, 歴史

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